問題だらけの女性たち
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「問題だらけの女性たち」のおすすめレビュー
女の脳はスポンジでできていた!? 19世紀の女性たちを苦しめたばかばかしい迷信の数々
『問題だらけの女性たち』(ジャッキー・フレミング:著、松田青子:訳/河出書房新社)
「女性の脳は小さいだけでなく、柔らかい、スポンジのような軽い素材でできていました。娘たちは刺繍のステッチを60種類覚えてしまうと、もうそれで脳みそがパンパンになってしまいました」
ばかばかしく思えるこの話も、19世紀ヴィクトリア朝のイギリスにおいては「ただの冗談」ではなかった。女性は何をするにも蔑視され、さまざまな迷信や固定観念に苦しんでいた。女性はいつも「問題がある」と決め付けられ、その活躍は歴史のゴミ箱に捨てられていった。
『問題だらけの女性たち』(ジャッキー・フレミング:著、松田青子:訳/河出書房新社)は、漫画家でイラストレーターのジャッキー・フレミングがそのユニークなタッチでかつての女性蔑視を描いた、絵本のような1冊。ユーモアと皮肉がたっぷり詰まった本書には、当時の女性たちへ向けられた「おかしな視点」がこれでもかと記されている。 「女性は夜よく目が見えなかったので、外出が許されていませんでした。また、どこに連れていくにも感情的すぎたので、たいてい家の中で…
2018/5/26
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問題だらけの女性たち / 感想・レビュー
♪みどりpiyopiyo♪
女の脳は小さい? 女が考えると生殖器がダメになる!? ■話題の本を読みました。19世紀ヴィクトリア朝〜20世紀の女性達がいかにバカバカしい迷信と固定観念に苦しめられたか。偉大な男性達が作り上げた「大問題」な女性観をユーモアと皮肉で描く風刺絵本です。■何をするにも「問題」があると決めつけられ、偉業は矮小化され「歴史のゴミ箱」に捨てられた女性達。でもね、程度の差こそあれ現代でも同様の偏見が瞭然と存在する日本では読むのがちょっとしんどい。過去の事として笑い飛ばせる日が一日も早く訪れます事を。(2016年)(→続
2019/01/26
なゆ
問題だらけの女性ってどーゆーことよ〜って、ふと気になってパラパラ眺めると。。。なんとまあ、ダーウィンをはじめとする男性の偉人や天才の方々が、女性について好き勝手言ってらっしゃるのなんのって。そのお言葉を皮肉ったイラストが笑いを誘うわー。19世紀ヴィクトリア朝時代のとんでもない女性観に、アホらしすぎて笑い飛ばすしかないでしょう。医学を学ぼうとする女性に対して変な警告したり、試験を受けるのを妨害してたなんてところは…あらら、今も変わってないんじゃ???まだまだこの本の続きはありそうですね〜。
2018/12/09
星落秋風五丈原
邦題タイトルを見ると、まるで女性に問題があるかのようなイメージだ。「おっしゃる通りなのでしょう。」あら、本文の言い方が移っちゃった。冒頭より「女性が存在しませんでした」「黒人女性が存在しませんでした」という否定文がばんばん並ぶ。存在しないでどうやって天才と呼ばれる男たちはこの世に現れたのか。その言い方もまるで女性が産む性でしかないようで。「えっ、あの人がそんなことを?」という衝撃のコメントが並ぶ。男たちの偏見を跡形もなく無くす方法を柔らかいスポンジのような脳(褒めてます)で、じっくり考えてみましょうか。
2018/05/01
美登利
図書館の新刊コーナーで見つけタイトル借りした本。登録してかなりの人気作品だと知りました。正直言うと、何なの?この本は!と思いながら読んでしまいました。絵本のせいかまえおきも無く、女性蔑視の時代があったことが語られている風刺画ですね。特に賢く歴史に残る有名な男性が偏った考えの持ち主で、女性を馬鹿にしていたのだと言うことを実に皮肉ぽく描いていることには苦笑いしてしまいますが、笑えるとまではいきませんでした。改めて思うことは、多少はこの偏見は残っていても私は現代に生まれて良かったなと言う事でした。
2018/07/13
Willie the Wildcat
Black Jokeであり、シニカルな世情描写。女性著名人を多数引用し、徹頭徹尾”間違い”を揶揄。オチはダーウィン。コミカルな挿絵も意味深。特に、最後の挿絵の描く未来。「ゴミ箱」は、もう少しだけ”粋な”解説があった方がいいかな。でも歴史の一端、と片付く話でもないのは明白。加えて、LGBTのみならず、いつの時代も続く様々な蔑視、偏見、先入観。そんな世の中への警鐘なのかもしれない。冒頭の王立協会のモットーが全てかな。
2019/09/29
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