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ヌマヌマ ; はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選

ヌマヌマ ; はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選

ヌマヌマ ; はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選

作家
ミハイル・シーシキン ほか
沼野充義
沼野 恭子
出版社
河出書房新社
発売日
2021-10-26
ISBN
9784309208404
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ヌマヌマ ; はまったら抜けだせない現代ロシア小説傑作選 / 感想・レビュー

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ヘラジカ

決して分かりやすく面白い作品ばかりではないが、それだけにロシア文学の幅広さと奥深さを感じることが出来る。郷愁的で美しい小品から血反吐に塗れた狂気の怪作まで、多様な作風のなかにも、社会体制と気候風土が醸成する共通の風味のようなものがあり、成る程、確かに続けて読んでいるとハマってしまいそうだ。楽しみはペレーヴィンだったが、キャレールの傑作伝記小説『リモノフ』で知ったエドゥアルド・リモーノフの作品(長篇の一部)が収録されていたのは嬉しい驚き。刺激ある作品の中で際立っているのはエロフェーエフの「馬鹿と暮らして」。

2021/10/28

マリリン

読み進める程に深みにハマる感がよい12篇。『バックベルトのついたコート』で惹き込まれ『庭の経験』で一杯煽り、『聖夜のサイバーパンク、「あるいはクリスマスの夜-117.DIR』で眩暈を感じ、『超特急「ロシアの弾丸」』で酔いつぶれ、『ロザンナ』でこれポルノか...と頭を振り正気に戻ろうとしたら『馬鹿と暮らして』でここまで書くか! と思いつつ酩酊できる傑作選。ウオッカの香りと共に漂ってくる現代のロシア事情。多様な背景が絡んでいるから更に面白い。愉しい翻訳に思わず笑ったレーちゃん。ロシアのイメージが崩壊してきた。

2022/12/10

愛玉子

現代ロシア小説のアンソロジー。露文ってタブーに挑戦すべしという謎の義務感からか、やたらファ◯クやら排泄物やらブッ込んでくるところがありますが、あまり攻めているものよりは抒情的な作品に惹かれます。亡き母と、母が好きだった歌手の人生を思いながら、生死を超越した瞬間との邂逅を描く『バックベルトの付いたコート』、シニカルな語り口と乾いたユーモアが好き『聖夜のサイバーパンク、あるいは「クリスマスの夜ー117.DIR」』辺りが良かった。ちなみに『ロザンナ』は「ロシア文学史上もっとも汚い言葉で書かれた小説」とのこと(笑

2022/03/13

燃えつきた棒

ユーモラスな響きの書名、赤、白、緑、青に金色を散りばめた表紙には、ほのぼのとしたクマと可愛らしいマトリョーシカの絵。 これは、きっと沼野先生ご夫妻からのクリスマスプレゼントに違いない。 すべての読みかけ本をすっ飛ばして、さっそくかぶりつこう! やはり、僕の感性は昭和なのか、ポストモダン風の物語は、いつもどおりあまりピンと来ない。 というわけで、お気に入りの物語だけを、挙げてみたい。

2021/12/29

yyrn

ほのぼのした表紙に私も騙されたがw、騙されてもソンのない?これまで味わったことのない読書体験だった。抑圧されたソ連やロシア社会で(嫌いを嫌いだと、バカをバカだと公言できない、と思われる環境下で)自己を如何に表現し公表するか?この本で紹介されている12人のロシア作家のそれぞれがその腕前を存分に発揮しているので、わかりにくい表現も見受けられるが、少し辛抱して読み進めていくと、中々に味わい深い物語がそこには綴られていた。がしかし、その味わいは、どれもTVドラマや映画には成り得ない類のものばかりだな(たぶん)w

2022/05/12

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