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ポータブル・フォークナー

ポータブル・フォークナー

ポータブル・フォークナー

作家
ウィリアム・フォークナー
マルカム・カウリー
池澤夏樹
小野正嗣
桐山 大介
柴田元幸
出版社
河出書房新社
発売日
2022-09-21
ISBN
9784309208602
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ポータブル・フォークナー / 感想・レビュー

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buchipanda3

フォークナーが紡いだヨクナパトーファ(南部の架空の地)に関わる短編と長編の一部を抜粋して再構成された小説集。著者の長編作はドラマ的な展開が読み処のひとつだが、本作は展開よりも、南部の地を生きた様々な立場の個々の姿に目がいった。白人と黒人とネイティブ、それらは土地と生活の結び付きがあり、容易に解れない。それらによる伝統の創造と破壊、忍耐と犠牲、苦悩と贖罪の日々を著者は人間性を強く印象付ける文章で語り、グイッと引き付ける。それはある種の空虚な面もあるが、書かずにおれなかった著者の思いが意味を導いたと思えた。

2022/11/20

フリウリ

とても若い頃、ヘミングウェイを読みスタインベックを読み、、、という流れで、フォークナーを読んだのだけど、とても「苦労」してっきり、縁がありませんでしたが、柄谷行人が中上健次にフォークナーを勧め、その影響で中上が一連の作品を書いたことを知り、気にしていたところ、図書館で偶然本書を見つけ、1週間ほどで読み終えました。かつて自分が苦労したのも当然と思う一方、この先フォークナーと付き合っていく意思と自信がもてたので、本書をつくってくださった皆さんに、ありがとう、と言いたいです。10

2023/06/25

猫またぎ

フォークナーがさほど評価されていなかった時代の存在に驚いた。

2023/11/30

Mark.jr

長い間無名の作家だったフォークナーが、ついにはノーベル文学賞まで受賞する契機となったのが、編集者Malcolm Cowleyが編んだこの短編集になります。時系列順に並び直すことで、ヨクナパトーファ郡のサーガと、フォークナーが何をやっていたのかを明らかにしたのが、画期的でした。本書はノーベル文学賞受賞後の作品も含まれる完全版で、ポータブルというには大部ですが、フォークナーをコンパクトに味わえる本なのは間違いないです。まあ、地図なしにヨクナパトーファをさ迷い歩くのが、フォークナーの醍醐味ではあるでしょうが。

2023/03/27

バナナフィッシュ。

黒人奴隷という制度自体が如何に業であり、破綻しているかを一つのどデカい郡の歴史を軸に展開していく。「響きと怒り」「八月の光」などの長編を読んでからの方が、背景がわかってより深く読める。改めてフォークナーはひたすらに重く、だからこそ記憶にも深く残る。

2022/11/16

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