アメリカ死にかけ物語
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【ひとめ惚れ大賞】報道からは見えてこない 本当のアメリカが 書かれています『アメリカ死にかけ物語』訳者・小澤身和子インタビュー
『アメリカ死にかけ物語』 リン・ディン:著 小澤身和子:訳 装画:木原未沙紀 装丁:川名 潤 河出書房新社 3200円(税別)
本書は著者のリンが、アメリカの様々な町に出かけて実際に見たものごとや出会った人びとの声が書かれています。リンが書くのは、映画のスクリーンにはなかなか映らない、空港周辺の整備された景色からは見えてこない、しかし本当は多くの国民が生きているリアルなアメリカです。いうなれば貧困層の話なのですが、リンの視点はつねに彼らと同じ高さにある。だから出会った人びとは、心を開いて本音を話すのでしょう。彼は日本でも、とある労働者街を訪れていたのですが、そこでも地元の人たちと一緒に写真を撮ったりしていて。その写真を見せてもらったら、言葉なんかほとんど通じていないはずなのに、完全に溶け込んでいて。彼はそういう人なんです。
本書の原題は『Postcards from the End of America』。原文は語りかけるようなフランクな口調で書かれているので、訳すときもテンポに気をつけつつ、なるべく気さくな雰囲気が出るようにしたつもりです。
リンが…
2019/2/8
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アメリカ死にかけ物語 / 感想・レビュー
ケイ
ベトナム生まれ。1975年12歳でアメリカに逃れ、2018年にベトナムに帰国。詩人。この作品は彼のブログ「Postcards from the end of America」に掲載されたエッセイからの抜粋した翻訳。この訳は、失礼ながら訳題からしてあまり良いと思えず、ブログを見に行ったら、英語は読みやすく写真付きでとても詩的だったので、冒頭の「日本の読者へ」と最後の章の「トーキョードリーミング」以外はブログがおすすめ。写真があると彼のシニカルさが詩的になり、ノスタルジックでとてもいい。リンクはコメントに。
2019/02/01
星落秋風五丈原
文体的には石田衣良さんが書きそうな文章だなぁと。ただ日本では石田さんにこういう題材は依頼しないだろうな。
2018/12/02
かふ
アメリカの紀行文学というとケルアック『路上』だけれども、これもアメリカの「底辺(トランプを支持した貧困層)」を描いたエッセイだがケルアックが若者のカウンターカルチャーとなったのに対して、すでにカルチャーも死にかけの定年間際の飲んだくれたちの絶望した話が主体。各都市の絵葉書的なブログで紹介した文章なので書籍でまとめて読むよりはブログで読んだほうがいろいろ考えることがあるのかもしれない。実際にブログを見てみるとけっこう写真が刺激的で面白い。文章だけだと面白さも半減するかもしれない。
2019/07/26
Ecriture
メガバンクの犬であり、軍事プロパガンダの手を緩めず、キングと比べれば何でもない存在としてのオバマ政権への痛烈な批判が印象的。移民と地元民との折衝については、多様性や多文化主義の論点では太刀打ちできない切迫性を感じさせる。川上未映子のエッセイとオビのコメントが作品を台無しにするレベルで醜悪。リン・ディンの出会った人々が「どこを入れ替えても何の問題もないくらいにそっくり」なわけがない。
2021/07/04
ヨータン
アメリカのいろんな町で出会った底辺階層の人たちについて書いた本。そこには、将来の希望や夢もなく、死んだように生きている人たち。アメリカって、アメリカンドリームを夢見ることができる国ではなかったの?途中で、読むのが辛くなってやめてしまいました。
2019/06/22
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