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暴力の哲学 (シリーズ・道徳の系譜)

暴力の哲学 (シリーズ・道徳の系譜)

暴力の哲学 (シリーズ・道徳の系譜)

作家
酒井隆史
出版社
河出書房新社
発売日
2004-05-21
ISBN
9784309243085
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暴力の哲学 (シリーズ・道徳の系譜) / 感想・レビュー

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harass

文庫化されたが中身を知らないままに買うはどうかとこの単行本を借りる。さまざまな暴力の意味と時代の論考。キング牧師やガンジーの非暴力主義の意味合い(実力行使しないことで、事なかれ主義の地域に緊張をもたらし争点を解決にしむける)などの考察にいろいろ感心したのだが、いまいち乗れない部分があった。著者はネグリ・ハート『帝国』の翻訳者であり、それらの引用も出てくるし、自分の政治学の知識が不足しているせいか、ピンと来ないせいだろうか。要再読か。

2017/06/30

KASAO

暴力というものがどういうものかを知るために読了。全部わかったわけではないけど、力をもってしまったがゆえに生まれる恐れからくる暴力、恐れる対象が分からないことへの不安からくる恐れと不安の混合感情の限りなさ、無抵抗主義が持つ抵抗など、色々と教えられることが多かった。それと同時に読了後、何だかやるせない気持ちになる。人類と暴力は、国家や社会がある時点でやはり切っても切れない関係になってしまうんだろうか。

2012/11/25

hitotoseno

キング牧師やマルコムXが企てた暴力に対抗するための手段を様々紹介した後、アーレントやフーコーを引用しつつ政治的な領域へと話を進めて、最終的にはシュミットやクラゼヴィッツへと至りつき戦争論へともっていく。あらゆる手段が結局のところ権力に包摂されてしまう現代にあって我々が自律的に生きるための活力をもたらす手段とはいかなるものかを模索し続ける思索は、道徳の系譜を冠するだけあって正しくニーチェ的と呼べるだろう。

2013/05/10

Sakana

一週間かけてゆっくり読んだ。しかし時間をかけて読んだ割には、頭の整理がついてない。一読して、結晶の在り処は分かった。次は掘り出さなくてはならない。そして、掘り起こしたものは持ち帰り、磨かねばならないだろう。再読必須。図書館で借りたけど、これは手元に置いておきたいなー。書き込みたいし。本当に勉強になった。

2015/10/30

ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き

岩波書店の「思考のフロンティア」の暴力がどちらかというと権力による暴力を取り上げているのに対し、本書では抵抗する側(ガンジーやキング、マルコムXなど)の暴力にも多く紙面を割いていて大変参考になる。ただ、文体がですます調で統一されておらず、読みにくく感じる。また、一部しゃべった内容を文章化したらしき箇所(特に前半)があり、文意不明の箇所も散見された。叙述全体に不自然なところはなかったし、内容的にもよい本だったので、残念に思った。そのような部分はあるけれど、一読の価値はある。

2013/08/17

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