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わたしの土地から大地へ

わたしの土地から大地へ

わたしの土地から大地へ

作家
セバスチャン・サルガド
イザベル フランク
中野 勉
出版社
河出書房新社
発売日
2015-07-14
ISBN
9784309276120
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わたしの土地から大地へ / 感想・レビュー

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ケイ

写真家セルガトへのインタビューからの本。彼の写真をみた感想は、言葉にできない。彼は、ブラジルの熱帯雨林の辺りで育ち、20代前半で妻とともにフランスに発つ。共産主義への期待と東欧で感じたそれへの絶望。ブラジル国家の弾圧。ルワンダの農園への援助と、かの地で目の当たりにした虐殺。アマゾン奥地で保護されているインディアン。ソリで暮らす人々。地獄のような状況を目にしても、感傷的にも絶望的にもなりすぎず、その状況の中で彼らの生と死と美しさを切り取っている。砂漠を歩く、子の手をひく母の伸びた背中にそれを思う。

2016/03/21

どんぐり

神の眼を持つ写真家と呼ばれるサルガドへのインタビューをまとめた本。僕がサルガドを知ったのは、2009年に東京都写真美術館で見た「アフリカ」展。その時の展示では、“見捨てられた大陸”と呼ばれるアフリカの現状に迫る、1970年代から今日に至るまでの「GENESIS」「EXODUS」の作品群約100点が出品されていた。「生きものが持っている威厳を、生きものの構成要素のすみずみまで宿っている美しさを見せたかった」というとおり、サルガドの写真には見る者を圧倒させるものがある。この本は、単なる写真家にはとどまらな

2015/12/01

nobi

サルガドはひたすら待つ。風景、状況に溶け込む中でシャッターを切る。殆ど希望の見えない貧困、戦争の情景であろうと、警戒心を抱く動物であろうと変わらない。彼の写真集(Thames & Hudson PHOTOFILE)は目を逸らしたくなる写真が多い。その中Mariの干上がった湖を歩くノマドの姿に惹きつけられた。母親が二人の幼い子供を両手に引き連れている。子供は痩せ細って何も身につけていない。悲惨な光景なのに神々しい。母親の地面にまで届く長いヴェールが風にたなびいているからか。子供の前へ一歩踏み出す姿勢からか。

2017/04/22

ヨクト

フォトジャーナリスト、セバスチャン・サルガドの自伝。政治経済学を学び、そこから社会問題を写真という言語を通して世界へ発信した。アフリカや南米の労働現場やルワンダの大虐殺。多くの人と出会い、衝撃を受け、それを受け入れ、同じ地球という大地の生命として、ありのままの現実を写し続けた。写真集も欲しい。

2015/11/07

とよぽん

サルガドが撮った写真は、数年も時間をかけて被写体に寄り添い、被写体と共に水平な視点から見えてくるものを待ち続ける。そこが他のフォトジャーナリストとの決定的な違いだ。この本にはサルガドの半生が語られている。ブラジルからフランスへ亡命して写真と出会うまで、そしてその後の創造的だが苦難の多い仕事、アフリカやブラジルをはじめ世界のいろいろな国や地域に出かけて「世界の姿を見せる」写真を撮ること。もっともっと、この人の写真を見たいと思った。人類およびあらゆる生物、物質、自然への愛が切り取った写真。

2019/05/21

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