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セミ

セミ

セミ

作家
ショーン・タン
岸本佐知子
出版社
河出書房新社
発売日
2019-05-11
ISBN
9784309290195
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セミ / 感想・レビュー

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starbro

以前から気になっていた本書を書店で、見つけたので読みました。ショーン・タン、2作目です。シュールな大人向け絵本、不合理な世界観が独特です。セミは何のため、生きているのか、不思議な存在の昆虫です。 http://web.kawade.co.jp/special/cicada/

2019/06/17

青乃108号

セミは17年、高いビルで働く。にんげんに嫌われ足蹴にされても真面目に残業して働く。そして迎えた定年の日…俺は鬱病患いの障害者でコミュ障もあり、一応社会人ではあるが上司も同僚も後輩も俺の事を異端視している。俺はまるでこの本の【セミ】ではないか。毎日仕事に行くのが辛い、でも行かなきゃ仕方がない。俺はしかし【セミ】ではないので飛んで行く事が出来ない。毎日にただ、しがみついて生きていくしかないのだ。【セミ】はそんな俺の事を嗤う、やるせなく哀しい気分になった。

2022/01/21

けんとまん1007

セミ君が象徴するものは、いったい何だろう?最後に人間が嗤われることが、いろんなことを意味している。誰もが、そんな一面を持っているのだが、その大きさ・現れ方はいろいろだ。いつまでも、余韻が残る1冊。

2019/10/12

seacalf

大好きな『遠い町から来た話』のショーン・タンの新作。背広姿のセミがどんな話を繰り広げてくれるのか期待して読んだが、言い様のない気持ちになってモヤモヤ。ちょうど近くのちひろ美術館で「ショーン・タンの世界展」を開催していたので足を運ぶ。これが大正解。めちゃくちゃ良かった。この絵本自体は感想が書きにくい内容だったが、展示会は大満足だったので結果オーライ。日本語版より一回り小さい英語版の絵本も読めたし、何よりショーン・タンの魅力を再確認。未読の『アライバル』もかなり面白そうだし、この絵本がきっかけとなって大収穫。

2019/06/12

ホッケうるふ

「17年昇進なし」で始まる悲哀が日本人に食傷気味のサラリーマン物語と一瞬重なるが、そんなレベルを超えた「セミだから」と露骨に非道な仕打ち連発の展開にこれは闇社会か地獄か?とクラクラする。それだけに絵本のビジュアルを最大限に活かした結末のカタルシスで一気に浄化。この人間の酷い所業は童話の単なる道具立てか、不法移民など底辺労働力への差別の暗喩か?あるいは人間とは悪意と差別と虐待が無制限に許されたらここまで醜い生き物になるのだと、17年土の下で耐えたあと空に羽ばたくセミの眼に見下ろされ嘲笑される存在なのか?!

2021/02/06

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