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村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」

村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」

村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」

作家
森泉岳土
村上春樹
ジョージ オーウェル
出版社
河出書房新社
発売日
2019-12-21
ISBN
9784309290584
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村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」 / 感想・レビュー

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アキ

村上春樹「蛍」の漫画化。僕は彼女と東京で出会いひたすら散歩した。いつしか彼女と身体を重ねた。僕は20歳だった。それ以降彼女と会うことはなかった。共通の友人は自殺した彼女の元カレだった。蛍の小さな光は僕の指のほんの少し先にいた。余白を利用して余韻を表す。オーウェル「1984年」ジュリアとの愛は、拷問の末ジュリアを身代りにと叫んでから失くなってしまった。「蛍」の刊行が1984年。1948年に執筆された「1984年」は36年後の世界を描いた。1984年の36年後は2020年であり、村上春樹の1Q84も意識した。

2021/09/12

Y2K☮

主役は原作。原作を手に取るきっかけにしてもらえたらそれでいい。作品名に著者名をわざわざ付けているのはそういう謙虚な意図ではないだろうか。「螢」はずいぶん前に読んだが、ノルウェイの原型という印象しかなかった。でもこれを読んで「また読み直すか」という気分が芽を出した。この時点で森泉氏の勝ちだ。「一九八四年」は昨年読了したばかりだから、やはりちょっと物足りない。でもそもそもあれだけの大作をこの長さでまとめるのだ。物足りなさを覚えさせぬ方が不自然。そこを誤魔化さない、いわば原作への仲介に徹する姿勢に誠実さを見た。

2020/01/18

akihiko810/アカウント移行中

森泉岳土が村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」を漫画化。「螢」目的で読む。印象度B+  「ノルウェイの森」の原型になった「螢」は短篇ながら読んだことがなかった。大学生主人公のアンニュイな気分が率直に描かれた作品だと思った。 「一九八四年」は別の漫画化作品で読んだことがあるが、裸とか出てきて「こんな作品だったか」とけっこう忘れていたことに気づいて、楽しかった

2020/12/14

Tenouji

二重思考=管理された異常精神…そうか、私が普段会社で見ているものは、これなのか…。原作は、どちらも未読だが、なんとも、後味の悪い読後感。森泉氏の画風が救いである。特に「一九八四年」は、私が短期的思考、倫理観の劣化と感じているものの本質が描かれているようで、ゾッとした。

2020/03/14

チェアー

なぜこの2作品、と思いつつ読見終えると、そうやんな、この2作品と思うようになった。人間に必要な感情というもの。それは他人から抑制されるものではなく、自分だけのもの。それがなくなった荒野のようなところでは人間は生きていけない、というか人間という存在ではないのだろう。それが蛍と1984という2作品に端的に表れている。本を読んだ段階でイメージしていた登場人物と、それほど離れていなかったので、読みやすかった。

2020/03/10

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