百億の昼と千億の夜 完全版
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百億の昼と千億の夜 完全版 / 感想・レビュー
kaoru
救世を説く弥勒に疑いを抱き真実を求めて宇宙の旅を続ける阿修羅王、救いを求めて出家したシッタータ(仏陀)、失われたアトランティス大陸のオリオナエが時空を超えて織りなす壮大な物語。救世主ナザレのイエスも、本作では惑星開発委員会に地球の管理を命じられた卑小な存在である。市民が単なる記号に還元されたゼン・セン市の描写。宇宙で知的生命体の発展を促し、高度な文明を開発することはすべて失敗に終わってしまった。最後に訪れた<ディラックの海>、マイナス・エネルギーの海で一人残された阿修羅王の戦いは無限に続くのであろう。→
2022/08/09
鱒子
文庫を持っていますが、大きな判型と完全版のあおり文句に惹かれて購入。萩尾望都さんの美麗なカラーイラスト、原作者 光瀬龍さんのエッセイも載っています。漫画版オリジナルのユダのあたりなんて抜群に面白い。オリオナエの語るところは、カタカナだらけの原作よりも格段に読みやすいですね(笑
2022/09/02
ぐうぐう
完全版で再読する『百億の昼と千億の夜』。まず萩尾望都のコミカライズを読み、かなり経ってから原作である光瀬龍の小説を読んでみて、興奮冷めあらぬままコミカライズを再読した記憶がある。それ以来の読書となったが、いやはや面白い。神とは、宇宙とは、自我とは、といった哲学的主題が、あしゅらおうやシッタータ、イエスと言ったキャラ立ち著しい者達によって、難解でありながら躍動した物語となっていることが原作の凄さだろう。「宗教の説く言葉の背後にあるものを、えぐり出してみたい」と光瀬の言葉にあるように、(つづく)
2022/07/30
くさてる
数十年ぶりの再読だったけれど、内容は完全に覚えていた。つまりそれだけ印象的でインパクト大だったということ。絵も素晴らしいし、壮大なSFストーリーをここまでまとめ上げた萩尾望都の力量もすごい。巻末インタビューはファン必読です。
2023/10/19
阿部義彦
多分リアルタイムで連載中に、手に取る事はあったと思うが当時中坊の私には難しすぎて跨いでいた様な気がします。しかし、チャンピオンも良く載せたもんだよな。歳を経た今新たに読ませてもらいました。ぶっ飛んだ思弁的SFです。小松左京の「果てしなき流れの果てに」や筒井康隆の七瀬三部作「オイディプスの恋人」の読後感に似ていると思った。惑星開発委員会の陰謀か、宇宙の内と外との戦い、全ては知的生命体を発生させるプログラムに過ぎないのか?かなり大胆に原作を脚色しているみたいなので、原作も読みたくなりました。未だに謎すぎる。
2022/09/14
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- ISBN
- 9784766002294