たけくらべ 現代語訳・樋口一葉 (河出文庫)
たけくらべ 現代語訳・樋口一葉 (河出文庫) / 感想・レビュー
Tonex
たけくらべ=松浦理英子、やみ夜=藤沢周(藤沢周平ではない)、十三夜=篠原一、うもれ木=井辻朱美、わかれ道=阿部和重。▼現代語訳なのに読みにくいので、Amazonレビューに「原文で読んだ方が手っ取り早い」と書いてる人もいるほど。それでも注釈無しで原文を読むよりは意味がわかると思う。▼なぜか後書きにわざわざ好感度が下がるようなことを書く訳者たち。◇松浦理英子「私には一葉という作家に対する格別の思い入れはない」◇藤沢周「この作家は自分の作品を愛してない」「一葉にとってはおそらく文学は女の手遊びだったろう。」続く
2016/05/09
みつき
『たけくらべ』『やみ夜』『十三夜』『うもれ木』『わかれ道』の現代語訳集。名作とされる『たけくらべ』は良く言えば原文の雰囲気をそのまま残した作品、悪く言えば機械的。あまり現代語訳ならではの魅力を感じる事ができませんでした。藤沢周氏訳の『やみ夜』は、お蘭の穏やかさの中に妖艶で激しい憎しみを抱えている様子が繊細で、古典のような冷たさを感じる好きな雰囲気でした。作中のどの男性も危うさがあって非常に魅力的。一葉の恋愛観を小説から汲み取る事ができるのも作品の醍醐味ではないかと思います。
2013/07/04
ひさしぶり
一章が一文で終わるのか?と思うような文体。流れるようなと形容するべきか、ダラダラしたと言うべきか。平成令和の小説は苛酷な人生描きつつ平穏を探るのに比べ明治の文学は写実的で切ない。蝶よ花よの扱いの美登利の先の人生は所詮一本道。信如も修業の道。雨の日の鼻緒が切れてあたふたする心の動揺が遠い過去の記憶と交差する感じがする。余韻が静かに残り続ける本でした。
2022/11/23
雨巫女。@新潮部
《私ー図書館》やはり、一葉さんは、凄い。ストーリー展開が、飽きさせない。もっと時代背景など勉強して、原文読みたい。
2014/09/23
かごめ
今回は音読を頭に読んでみると、口語体に置き換えてあるので句読点の少ないのも気にならなかった。初読が小学校の図書室の貸し出しの小学生向きの~全集だったので、きめ細かな文章に改めて作者の大きさを感じた。鉄漿どぶという言葉だけが妙に記憶に残っていたが、その鉄漿を溶いたどぶを流れる黒さは、花街に住む暗さなのだと気づかされました。時代のせいかもしれませんが、24歳で亡くなった明治29年以降はまだ重く暗い時世です。作者が生まれた同じ年に田山花袋・島崎藤村がいました。作者が長命であったなら時代をどう描いたのだろうか。
2021/10/04
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- 2022-12-22
- ISBN
- 9784041120453