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退屈論 (河出文庫 こ 11-1)

退屈論 (河出文庫 こ 11-1)

退屈論 (河出文庫 こ 11-1)

作家
小谷野敦
出版社
河出書房新社
発売日
2007-10-01
ISBN
9784309408712
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退屈論 (河出文庫 こ 11-1) / 感想・レビュー

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harass

 退屈をいかに克服することが人類の営みの中心ではないかという仮説を掲げる。性愛や結婚育児遊びなど様々な視点から論じていく。知的エッセイ。興味深い知識や視点を様々な参考文献より持ってきている。ちょっと取り留めがない気がしなくはない。この文庫本一冊だけで論じるスケールの内容ではないのではと。中途半端に感じるが、もしかしたら思いつきだけでここまで論じれるのかなと勘ぐった。個人的に唸る部分もあり退屈はしなかった。

2013/07/03

ネムル

文学・哲学・人類学等々等々とあまりに拙速に大量の知識が参照されるため、論の流れをしばしば見失うが、たしかに面白い。というか、真っ当とも穏当もいえるオチに対してどれだけ迂遠して近づけるかが、そのまま暇潰しへの例解になっているところが興味深いともいえる。

2021/05/11

脳疣沼

森田療法に対する疑問点は著者と共有する部分があって、自分も疑問を感じて悩んだことがある。私は入院経験があるのだが、ベッドの上で天井を見上げながら、ただただ傷が癒えるのを待つ日々はとても退屈で苦しかった思い出がある。治療の痛みよりも、退屈との格闘の方が大変だった。独房に閉じ込めるという罰も退屈による苦痛を味わせるものであって、人間にとって退屈というものがいかに難題であるかがわかる。本書はそんな退屈についての鋭い考察に満ち溢れ、戦争のない退屈な世界の考察など、思っていてもなかなか書けないことも書いてある。

2015/03/25

貧家ピー

恋愛・性が退屈しのぎで生まれたとか、恋愛については小谷野敦という感じ。タイで読み終わったので、ASEAN諸国の勢いに比べて、日本が衰退しているのではなく、日本人が退屈しているのかも、と思ったり。岸田秀との「唯幻論」に関する往復書簡は読んでみたい。

2015/02/12

midorikawa-e

前回読んだときにも思いましたが、この本で述べられているのはいわゆる「退屈」というよりは、神経症的な、例えば一人でいて、そわそわして落ち着かない、物事が手につかない、みたいな感覚に近いのではないかと思いました。それを如何にどうするかみたいな。そういえば、森田療法なんかも取り上げられてます。また、なぜか、昔読んだ岸田秀の『唯幻論』を思い出します。

2015/06/12

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