日本の伝統美を訪ねて (河出文庫 し 15-1)
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日本の伝統美を訪ねて (河出文庫 し 15-1) / 感想・レビュー
Sakie
白洲正子は好奇心旺盛な人だった。面白いと思ったら首を突っ込んでとことんはまる。結果として目が養われる。本質を掴む。あるいは自分の足で歩いて伊勢へ詣でる旅で、古人の実感を理解する。『だって、面白いんだもん。あたくし、いつでも面白いことが先に立つの』。だから彼女の言葉には惹かれる。着物、能、骨董など、長い伝統がある部類のものは素人が想像するよりずっと奥深い。知識だけでなく感覚で深く理解できるようになってはじめて、定石を踏まえたうえで拓ける境地というものがある、そのなにかひとつでも自分のものにしたいと憧れる。
2023/08/11
YH
白州さんの本を読む度に、友枝氏のお能を見ておきたかったと悔やまれる。白州さんの本を読むと、出会っておきたいものがたくさん見つかる。
2009/08/27
ハイサイ
各界の14人との対談集。対談の名手でもあったことが新鮮。中でも能楽師、友枝喜久夫氏との対談は圧巻。「六十の手習いというが、それは六十になって、新しいことをはじめるということではない。今まで一生つづけてきたものをあらためて最初から出直すことだ。」これは、青山二郎のことばを引用したものだけど、白洲正子は友枝氏の能にそのことばの具現した姿を見いだしたのだった。
2011/06/09
Hiroki
mybook すごい質量の“知”が、経験や体験に裏打ちされて存在する。チンプンカンプンが多々あったが、それでも輪郭くらいは分かったような感じ。一例が着物について。着付けといえば帯を何十本も使ってギリギリと身体を締め付ける。これは体型を補正するということらしい。要は同じ体型に持っていく訳だが、窮屈であり息苦しいから、着物嫌いとなり着物離れはますます拍車が。例えば能は、平安時代から男色があり、能もその影響をうけた芸であるとあり、少年愛が熱っぽく語られている。学者風<職人風=白洲正子 という不等式をみつけた。
2023/08/07
鈴
白洲正子さんと、いろんな方との対談集。古いものに造詣が深い人だけれど、過去じゃなくて、それを下地に現在や現在の先にある未来を肯定的に見つめているのだろうなと思った。好きなことを思い切りやって、楽しく生きた人なんだろう。
2013/09/30
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- 出版社
- 左右社
- 発売日
- 2019-11-01
- ISBN
- 9784865282511