小説の聖典(バイブル) ---漫談で読む文学入門 (河出文庫)
小説の聖典(バイブル) ---漫談で読む文学入門 (河出文庫) / 感想・レビュー
harass
作家二人の対談講演を元にしたもの。訳注が渡部で解説や突っ込み係。二人の小説を書くときの心構えから語りあい、物語とはなにか小説とはなにかなどなかなか高度な内容。ただし、漫談というには大爆笑するものではないのだが。個人的に考えていたことと同じものがでてきて驚いた。ロブ=グリエ「反復」を読んでショックを受け、小説を読む気が失せていったのだが、その小説のこと小説の「反復」についてが語られており、その対応としてどうあるべきかと。参考になった。
2017/07/20
なる
文学入門という副題が付いていることから、文学の読み方・触れ方というスタンスかと思いきや、著者二人の作品の書き方なども語られていて意外だった。漫談で読む、とあるのでだいぶフランクで読みやすいながら、博学の二人による知識のぶつかり合いが凄くて舌を巻く。特に二人の対談をフォローする形で欄外に渡部直己による解説がとても細かく、二人による高度な知識について行けなくなりそうになっても解体してくれるのでとても助かる。奥泉光の作品は未読なので興味が湧いた。いとうせいこうもとにかく知識が半端ない。なんだこの人…!
2021/05/08
いたろう
奥泉光×いとうせいこうによる掛け合い漫才のような文学対談。奥泉光のボケと、いとうせいこうのツッコミがたまらなく可笑しく、それでいて語られる文学論は奥深く難解。二人が「文芸漫談」を定期的に行っていることは今まで知らなかった。本を読んだ勢いで思わず次回のチケットを購入。
2013/12/28
chiseiok
面白い。多分内容の半分も理解出来ていないと思われるのに、何故かサクサク読み進められ、なおかつ心底面白かったと感じる…不思議です。多分漫談という仕立てが効いてるんでしょうし、ちりばめられたギャグやユーモアも十分笑える。小説を書くスタンス、読むスタンスについての自由で過激なコメントも最高。なのに文学に対しての考察は真摯で深い、深すぎて分からない、分からないけど面白い(笑)。特に第5章辺りの"泣けるハナシ""感動するハナシ"についての辛辣な掘り下げには唸りました。何気に良書では(^^♪。
2014/05/22
びっぐすとん
漫談という形で面白いけれど、言ってる内容が高度すぎて何となくしかわからない。博識な人ってどういう時間の使い方で知識を吸収するのかな?これ字で追っていても理解が追い付かないんだから、(会場で聞いていて)会話で一瞬で流れてしまったら、もっと理解できないだろう。かつての物語はまさしく語りによって形を止めないものであったのに対し、小説は字で書き留められるものという所に違いに納得。日本では詩の立場が弱いというのも成る程と思った。海外作品だとやたら詩の引用があったりするが、日本では詩集は小説ほど人気ないかも。
2021/01/25
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- 出版社
- 光村図書出版
- 発売日
- 2023-06-26
- ISBN
- 9784813804383