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冥土めぐり (河出文庫 か 13-3)

冥土めぐり (河出文庫 か 13-3)

冥土めぐり (河出文庫 か 13-3)

作家
鹿島田真希
出版社
河出書房新社
発売日
2015-01-07
ISBN
9784309413389
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冥土めぐり (河出文庫 か 13-3) / 感想・レビュー

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ω

登場人物も設定も良い意味でクセ強め〜笑 文藝賞取ってから13年後の2012年芥川賞作品ω 初期の作品どんなんだったんだろ、読んでみたい。実力派なんだろな。

2022/03/07

巨峰

「99の接吻」はリズムのある音楽的な散文で綴られる。音読をするように黙読すると作品に引き込まれる。「冥土めぐり」は、語り手の意識と現実世界の境界がとてもあいまいに表現されている。女性作家に同様の表現をする人が結構いるような気がする。混濁した世界認識の中で彼女を徐々に世界に戻すよすがになるのが、病気で障害をえた今一普通な夫なのが面白い。彼は外の人なんだよね。

2015/02/04

絹恵

失われたものは元に戻ることはなく、だからこそ安心もあり、心に引っ掛かったまま目を閉じることもあります。彼女は自身のなかから自ら記憶を追い出したから、彼女のなかに彼の姿などどこにもありませんでした。記憶を持たずに生きていく自由と100回目の接吻を冥土の置き土産としても、それでも前を向けば、前しか見ない彼がいるから、新しい記憶が自走する音がしました。

2015/02/12

はつばあば

お盆に冥土巡りは面白かろうと手にしたが・・・。現実の世界も冥土も変わらないという事か。地に足をつけて暮らそうとする者と、夢のような昔の暮らしに執着する者。それにしても35歳で脳の病気になった奈津子の旦那様太一に私なら凹む。うちの母は88才、爺様は71。これからが私の勝負の時だ。気力と体力を如何に維持していくか・・。

2015/08/15

kana

粗筋から察するに破滅的な趣で面白いのかどうか疑っていました。で、今回も反省し気付くのです、芥川賞作は文体と小説世界を楽しむものだったと。所謂、毒家族の元を育った主人公、その上、旦那は脳の障害で会話も足元も覚束ず、暮らしは貧しい。トラウマともいえる嘗ての家族旅行先を訪ねる二日間は娯楽要素0に思えるのに!旅行描写が秀逸で、幽霊船のように過去と今が自在に行き来する様が美しい。救いのあり方に唸る。そして同録の根津の四姉妹の話が打って変わって古風な妖艶さを湛えているのが素晴らしく、他の著作も読んでみたくなります。

2017/08/12

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