砂漠ダンス (河出文庫 や)
砂漠ダンス (河出文庫 や) / 感想・レビュー
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
☆5.0 山下澄人の住む“砂漠”は夢や妄想みたいな戯れ言で出来ている。 この“砂漠”は至って手強い。一度惚れたら蟻地獄だ。
2021/01/17
Mishima
著者をアンソロジーの掌編で知り2冊目として読んだ。予想に反して苦痛を強いられる読書だった。こうした作風・世界観で描かれたものは、題材や言葉の選び方が好みでないと物語に入り込めないんだと今更ながら知った次第。時系列、語り手、場面、登場人物が縦横無尽に錯綜して語られる。不条理で無秩序な流れは、世界のあり方の切り口として納得されるなら強力な吸引力を持ち得ると思うのだけれど、、、。
2021/04/01
深夜
まるで覚えたての言葉をとにかく羅列しているようなある種の稚拙さ。それでいて計算されつくした文体。どの短編も、いずれも語り手が不安定で、それがこの小説の不思議な魅力となっている。保坂和志の言うように、まさに感覚で読む文章なのだと思う。
2017/08/11
海恵 ふきる
ピースの又吉先生がおすすめしていたので購入した。大多数の小説は時間軸に沿ってある空間が描写されることで進むが、本作は時間や空間が混沌としている。ぼくら人間は、常に周囲の状況について考えているわけでは無い。なにかを思い出して感傷にふけることもある。要するにそれは、現実と記憶と想像が入り混じっている状態だ。そう考えるとこの一見不思議な散文を全て理解するのは無理だとしても(また理解する必要も無いのだ。感じられればいいのだから)、この散文において最も感ぜられなければならないことを感得することはできる気がするのだ。
2020/03/14
ぽち
わたしが一番敬愛している音楽家の竹村延和さんの名盤のひとつに「こどもと魔法」という作品があるのだけど、竹村さんはそのころのインタビューでもそのあとのインタビューでもたびたび子供の感性に対しての尊敬というか憧憬を語っていて、子供の感性というのは純粋で美しくて、同時に、ではなく同義で、それは恐ろしいものであって、竹村さんの音楽で言えば牧歌的なメロディと不協和音、クラスターが共存している。牧歌的とか不協和音とか言えば説明がついたようであるけど、説明というのはそうする人が自分の理解の範疇に陥れる行為なだけで
2017/06/26
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