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きょうのできごと、十年後 (河出文庫 し 6-9)

きょうのできごと、十年後 (河出文庫 し 6-9)

きょうのできごと、十年後 (河出文庫 し 6-9)

作家
柴崎友香
出版社
河出書房新社
発売日
2018-08-04
ISBN
9784309416311
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きょうのできごと、十年後 (河出文庫 し 6-9) / 感想・レビュー

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hiro

四年前に単行本でこの作品を読んだが、『きょうのできごと』の増補新版と合わせて再読した。十年前、京都の大学院に進む正道の進学と引っ越し祝いに集まったけいと、真紀、中沢、かわち。あれから十年、今度は中沢の京都の店のパーティーに集まった彼らを描いた、この『十年後』。前回読んで覚えていたのは、中沢のベンツのことと、社会人になった彼らが、あまり会わなくなっていたということだった。再読して改めて、卒業し社会人になり、住むところも違い、そして十年も経つと、以前の関係と違って当然かもしれないが、なにか寂しく感じた。

2019/05/11

ぶんこ

読む気がなかったのに、何となく読み始めたら最後まで読んでしまいました。大学院生と彼女たちの引越し祝いから10年後。院に残ったのは正道君だけで、中沢君が開いたお店のパーティーに集まった面々。皆社会人となって少しは落ち着いたのかと思ったら、まだまだ酔っ払うとハッチャケています。こうして発散できるのがいいのかなとも思ったりして、10年前の物語よりは読みやすかったです。あれだけ共感できなかった本を書いた柴崎さんなのに、今回はすんなり読み進めたという事で、改めて作家さんの才能はすごいものだと感嘆しました。

2018/07/22

HMax

10年経っても、やっぱり飲みすぎ。それでも学生時代とは違う、「さびしいね、そんなに簡単に、夢中になられへんね。もう」、キカと中沢の感じる10年の長さ、「気づいたら過ぎてるもんや、10年なんか」、それにしても中沢、ついてないなぁ。 大昔に見た智積院の紅葉、10年後には見れるか? 備考:「きょうのできごと」の解説にあることを気にして読むと、意外に時間がかかったけど、いつもと違う面白さもありました。

2020/11/28

ちぇけら

すぎてしまった時間はかえってこない。ながく生きると、そのぶんたくさんの時間を失う。おとなになったのはいつからだろう。景色とか、音とか、いろいろなものが薄い膜に包まれて、心から楽しいと思えなくなっている。週末が終わると戻らなくてはならない〈社会〉が、ぼくをおとなに引きずりこむ。「さびしいね。そんなに簡単に、夢中になられへんね。もう」あのころのようでいて、あのころではない今を生き、その今もいつかの過去に溶けてゆくのだ。泣いてもいいかな。誰にでもなく呟いて、そういえば人前で最後に泣いたのはいつだろうと、思った。

2020/02/08

kaoriction@感想は気まぐれに

十年前、十年後。変わらず人生は続いている。『きょうのできごと』の十年後。あの頃描いていた自分とは全然違う場所に生きていたり、違う仕事をしていたり。思うようにはいかない。すれ違うばかりの想い。みんなそれぞれの日常をそれぞれに過ごして十年。いろんなことがあって。これまでの十年もこれからの十年も。誰かの毎日と自分の毎日と。知らないうちにつながっていたり、誰かと誰かが知らないうちに始まって終わっていたり。「いろんなところで、いろんなことが起きてるんやな」。ありふれた日常がなぜか輝いてる。Life goes on…

2019/01/28

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