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いやしい鳥 (河出文庫)

いやしい鳥 (河出文庫)

いやしい鳥 (河出文庫)

作家
藤野可織
出版社
河出書房新社
発売日
2018-12-06
ISBN
9784309416526
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いやしい鳥 (河出文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

表題作を含む2つの中篇と1つの短篇を収録。「いやしい鳥」は、著者のデビュー作であるらしい。そのシュールな趣きは時空を隔てた安部公房の後継者であるかのようにも見える。もっとも、似ているところもあれば、そうでないところも。安部公房の小説が持っていた飄々とした趣きと偏執的な感覚は共通するような、そうでもないようなだ。ただ虚構世界の細部に宿るリアリティという点では相通性を持つように思う。併録の「溶けない」と「胡蝶蘭」も、共に世界の裏側を覗き見るような小説だが、幾分図式的な感がなくもない。将来性は有望か。

2019/11/12

小夜風

【所蔵】これが藤野さんのデビュー作とのこと。3編とも訳が判らなくてとっても面白かったです。どの話も完全に向こう側に行ってしまっている人と、こちら側から傍観している人との噛み合わない会話が滑稽で、気持ち悪くて焦れったくなりました。ありえない話の中にもリアルな肌触りがあることで、今日にも自分の身にも同じことが起こるんじゃないかと錯覚しそうになりました。読みながらついついこれは何かの比喩なのかなとか、本当は何があったんだろうと意味を見出そうとしてしまうのですが、そのまま素直にこの世界観を楽しむのが良いのかなと。

2019/05/14

ぱなま(さなぎ)

藤野さんのあやつる日本語は巧み。この文章がわたしの母語で書かれていることを実感すると同時に、わたしの普段扱っている言葉と同じ日本語であるのが不思議だとも感じる。初めてことばを与えられた人のように、名前があるとも知らなかった事象にことばが与えられていく愉悦に浸る。そこに、闇へ分け入るようなスリルと恐怖があるのは自然なことのように思える。

2019/05/11

こすも

藤野可織さんのデビュー作の短編集。世界のどこかに潜んでいて、まだ人が気づいていないような怖さを、淡々とした不気味さと奇想で暴き出していきます。この作品を読んで、最新作の『ドレス』まで一貫してるこの作風はデビュー当初から完成度が高かったのだなと感心しきり。非常に力量がある作家だと思いました。僕は、表題作の「いやしい鳥」が二人の語り手の対比と語りの巧みさが面白くて、一番楽しく読めました。

2019/02/18

からっぽな蛙《真梨江》

カラフルながらもおぞましいカバー装画と、「違う、これはお前、人間様の食い物だよ」との帯台詞に心惹かれて手に取った1冊。グロテスクで不気味だったけれども、ちょっと戸惑いの残る短編3作。『胡蝶蘭』が1番わかりやすく、怖いおかしみに溢れていて良かった。表題作は高木成一に見えている世界よりも内田百合の佇まいのほうが怖かった。江國香織の解説を読んでから読み直すとなんとなく腑に落ちるかんじがする。読まれることで充足している小説、という意味が。デビュー作の文庫化らしいので他にも読んでみたい。(読みたい本への登録あり)

2019/03/05

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