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シメール (河出文庫)

シメール (河出文庫)

シメール (河出文庫)

作家
服部まゆみ
出版社
河出書房新社
発売日
2019-01-09
ISBN
9784309416595
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あらすじ

満開の桜の下、大学教授の片桐は精霊と見紛う少年に出会う。その美を手に入れたいと願う彼の心は、やがて少年の家族を壊してゆき――。逃れ得ぬ陶酔と悲痛な狂気が織りなす、極上のゴシック・サスペンス。

シメール (河出文庫) / 感想・レビュー

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ちょろこ

ゴシックサスペンス、の一冊。美少年とその美少年に心奪われた美術評論家のおじさまを軸に展開される物語。幻想的な雰囲気にすっぽり包まれたかのような、服部作品の耽美な世界、まさにゴシックサスペンスなるものをたっぷり味わえた。少年に心奪われ、かき乱される心はどことなく狂気を感じつつも芸術的表現に置き換えられ美しさを纏い絡みつく。永遠に歯車の合わないかのような数々の思い、行き場をなくしたかのような思いは何をもたらしどこへ向かうのか…。読了後もシメールが心に木霊する。

2019/02/14

蓮子

満開の桜の下、美少年に魅せられた美術評論家の片桐。彼の美しさを愛し、手に入れたいと渇望する片桐は少年とその家族の運命を狂わせていく。愛憎渦巻く物語は意外な結末へ。物語に登場する様々な古今東西の芸術作品の演出がこの作品に頽廃的な色を添えていて大変美味でございました。作中に登場する片桐が私の中では澁澤龍彦で再生されます。モデルはやはり彼なのかな。服部まゆみさんの作風は好みなので他の作品も復刊して欲しいです。

2019/01/15

コットン

肆ノ壱貳參さんの【感想・レビュー】で知りました。正直『この闇と光』が面白く、凝った作りでもあったのでそれと比較すると-少し残念かな-とも思うが、読ませ&楽しませてくれる。私的には翔とバード達との交流を覗き見るまたは写真を撮っている時の片桐さんの状況や心理描写とかがあればもっと面白かったかもしれないと感じた。

2019/03/07

momi

「この闇と光」の著者の作品!美しく流れるような文章に冒頭からぐいぐい惹きこまれていきます!もう1人の自分を背負ってきた少年のことが不憫だと思いながら読み進めました…。どちらが「翔」で「聖」なのか!翔であり聖でもある美しい少年!!その美しい少年と満開の桜の下で出会い心を奪われてしまった男!!人が人を想うことは罪ではないが時に悲劇を生んでしまうのだろう…。美に囚われた男の想いを切なく思うがその中に見え隠れする狂気に震えてしまいます!!幻想的で耽美な世界に酔いしれてしまいました!!

2019/02/18

まめ

『この闇と光』を読んだ時にも思ったが、何と耽美で退廃的な雰囲気を作り出すのがお上手な方なのか。美大卒の両親の元に生まれた、美少年の双子・聖と翔。火事で家を失った一家の元に、当時両親の同級生で今は売れっ子画家の片桐が現れる。服部さんの文章は、冒頭から既に「あぁ、登場人物が全員で真っ当な幸せを得ることはないんだな」と思わせる重さがある。本来、美しさというのは、可愛さに比べると重くて悲劇的なものなのだろう。この作品にはこの結末が良く似合う。服部さんが亡くなられていることが悔やまれる。

2019/02/02

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