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さよならの儀式 (河出文庫 み 33-1)

さよならの儀式 (河出文庫 み 33-1)

さよならの儀式 (河出文庫 み 33-1)

作家
宮部みゆき
出版社
河出書房新社
発売日
2022-10-05
ISBN
9784309419190
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さよならの儀式 (河出文庫 み 33-1) / 感想・レビュー

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yoshida

宮部みゆきさんのSF短編集。SFでも描かれるクオリティは高い。人間の持つ様々な感情が質感を持ち描かれる。作中に様々なSF作品へのオマージュがある。最も印象深いのは「母の法律」。虐待された子を引き取るマザー法。虐待の記憶は措置で深層に封じられる。殺人犯である実母。少人数で対話を見る機会を得た子。同じ養父母に引き取られた姉と参加する子。そこに待つ破綻と狂気のカタルシスは息を呑む。少年法で保護された人物を祀り上げる「聖痕」。あまりにグロテスクに人間の内面を抉る「星に願いを」。クオリティ高い充実の作品集。堪能。

2023/08/04

エドワード

子供の頃、テレビと漫画で夢中になったSFの世界。宮部さんが紡ぎ出す科学用語から立ち上るSFの香りに痺れる。なんといってもロボットと宇宙人がSFの王道だ。「愛情や共感は人類の宿痾だ。」人型ロボットに人間が抱く愛情を描く標題作。大森望さんの解説にある、宮部さんが両親に贈ったルンバがヒントというのが感動的だ。防犯カメラに擬態して侵略する宇宙人、隕石=宇宙船で地球へ飛来し人間に寄生する精神生命体、フランケンシュタインのトムは漁村の神様になる。この、怪奇大作戦やウルトラマンの世界へ一気にワープする感覚、満足の一言。

2023/03/14

ピース

SFの短編集。とは言っても蒲生邸事件なんかとはちょっと違ってた。「さよならの儀式」がよかった。ただ結末がハッキリしない話が多かったように思った。

2023/03/08

katsubek

SF短篇小説集。短篇というものの、宮部節炸裂のボリューム感。そういうことか、という謎解きあり、視点の面白みあり、もちろん、心に響く深みあり。例によって頭脳を明晰にして取り掛かることを要求される叙述がたまらないほどに楽しい。表題作が秀逸。されど、他の作も概ね満足度が高い。

2023/01/09

Nobu A

久々の宮部みゆき本。20年12月読了の「おそろし」以来。先日、図書館の書架を眺めていた際、目に入った本書。予備知識なく読んでいると「マザー法」や「記憶沈殿化装置」等に一瞬自分の読解力を疑った。気になりググると宮部みゆきの初SF小説だとか。大人たちが「親になることを失敗したとき」のセーフティ・ネットとなるシステムを設け、全ての国民に「生きがいがのある人生」をつかむ機会を与えるためのマザー法と続く。社会的問題が背景にあり興味深く、短編集の中に面白いのもあったが、やはり著者は「模倣犯」や「火車」の印象が強い。

2023/09/07

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