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女二人のニューギニア (河出文庫 あ 35-4)

女二人のニューギニア (河出文庫 あ 35-4)

女二人のニューギニア (河出文庫 あ 35-4)

作家
有吉佐和子
出版社
河出書房新社
発売日
2023-01-10
ISBN
9784309419398
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女二人のニューギニア (河出文庫 あ 35-4) / 感想・レビュー

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ふう

1968年、文化人類学者の友人畑中幸子に誘われてニューギニアを訪れた作者の、想像を絶する過酷さを描いた紀行&滞在記。一行目から文の上手さに惹き付けられました。命の危機と言ってもいいほどの大変なできごとに何度も遭遇するので、読む方も真剣にとは思うのですが、あまりにもおかしくて吹き出してしまう場面もたくさん。関西弁の女二人の会話が本音だらけで最強です。深く考えずに行ってしまった作者もすごいけど、未開の地に女一人で住んでいる畑中さんはすごすぎます。帰国してからのマラリア発症の場面が一番怖かったような気がします。

2023/07/13

たま

有吉佐和子が1968年、文化人類学者の友人畑中幸子をパプア・ニューギニアに訪ねた記録。畑中は数年前に〈発見〉されたシシミン族の集落に住み込み研究中。有吉は現地の人なら8時間で踏破すると言う山超えに3日かかり、足の爪が剥がれ全く動けなくなりブタのように棒に吊り下げられて現地にたどり着く。有毒動植物に泥水、そして全身の痒み。二人とも1930年外地生まれの強靱さ。とくに「ほんまに弱虫やな。アカンツやな。そんなことでどうするんや。なんのためにニューギニアの奥地まで出かけてきたんや」と毒づく畑中さんがすごい。

2023/07/04

ちえ

いくら「ニューギニアは良いよ。いつでもおいで」と言われたからといって1968年にニューギニアに行ってしまう有吉さんに読み始めからびっくり(@_@;)3日かかってジャングルの奥地ヨリアピへ山を超えての旅。途中で歩けなくなり最後は…(笑)。ジャングルで自分は何もできないしとヨリアピの人たちにパンツを縫うとか、もうお腹が痛くなるくらい笑う。ゆるい挿絵がまたいい味。それにしても畑中さん凄いです。社会の問題を題材にした硬派な作者のイメージの有吉さんのこんな素敵な本を読め紹介してくれた読友さんに感謝です✨✨

2023/09/02

たまきら

1968年にニューギニアの奥地へと旅した有吉さんにもう笑いっぱなしです。ぶっ飛んだ友人畑中さんとの会話はもう漫才。ヘビを食べさせておいて「私絶対食べられない」とか、アハハ。ジャングルを抜ける苛酷な往路、キテレツな現地の人たち。いざ到着してみたらなんだか居心地よく落ち着いちゃってる著者には大笑いしました。突然の復路にも大笑い。…しかしろ過器の黒い水は一体何だったんだろう…?こういう楽しい本の復刻、これからもぜひやってもらいたいな。

2023/08/17

マリリン

予想を見事に裏切った傑作! ご両名の名前は知っていたが、著作は未読だったので良い機会を得、楽しい時間が過ごせた。今回の行動に駆り立てたのは作家ならではの好奇心なのか。想像を絶する旅の行程は苦難の中に笑える場面あり。シシミンとの交流が面白い。ニューギニアにとり憑かれた研究者感あふれる破天荒な文化人類学者畑中さんの思考や行動発言が興味深い。広東料理の高級スープ竜虎大会は...食をそそらないが覗いてみたくなる。ご当地グルメも想像を絶する。マラリアはヨリアピのお土産か。この旅を作品に昇華させた著者の筆力を感じた。

2024/02/26

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