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愛人 ラマン (河出文庫)

愛人 ラマン (河出文庫)

愛人 ラマン (河出文庫)

作家
マルグリット・デュラス
Marguerite Duras
清水徹
出版社
河出書房新社
発売日
1992-02-05
ISBN
9784309460925
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愛人 ラマン (河出文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

不思議な感覚に捉われる小説だ。揺蕩うように回想が語られる。時間軸の中心は1940年代、場所はサイゴンなのだが、時間も空間もしばしば移ろってゆく。しかも、それは確固たる構想に基づいてではなく、ほとんど気まぐれにといった転移なのである。さらなる過去へ、また時にはずっと後に起こるはずの未来時へ。空間も、次のページではパリであったり、またプノンペンであったりもする。そして、常にわたしに想起されるのが、母への満たされぬ愛と憎悪、あるいは無関心。「十八歳でわたしは年老いた」―気怠い熱帯の中で、倦怠が全篇を覆い尽くす。

2015/07/23

遥かなる想い

この本を読みながら、なぜか『男の顔は履歴書』という言葉を思い浮かべていた。「18歳で私は年老いた」という本書の描写は ひどく映像的で異国情緒満載である。 仏領インドシナを舞台に繰り広げられる 金持ちの中国人青年との日々..「わたし」にひどく感情がないのがよい。 悟りきったような独白は「運命の受け入れ」なのだろうか。母と兄、わたし、中国人..肝心の名前が一切出てこないこの物語は ただ代名詞だけが登場し、愛の物語が繰り広げられるが..心がないかのような出逢いと別れ..淡々とした独白だけが印象的な物語だった。

2016/01/11

新地学@児童書病発動中

何という切ない恋愛小説だろうか。終わりが来ることが分かってもお互いを求めずにはいられないフランス人の少女と、年上の中国人の男性の愛を描いた小説。二人の恋愛は愛というより、自分たちの全存在を賭けた戦いのようにも感じる。お互いに家を背負っており、血族という重たい軛から逃れるために、二人は体を重ね合う。最後の一行が素晴らしく、それを読んだ時に涙がこぼれた。

2016/02/07

Hideto-S@仮想書店 おとなの絵本 月舟書房

打算から始まる恋もある。フランス植民地時代のインドシナ(今のベトナム)が舞台。どん底から抜け出すため、15歳のフランス人少女は自ら進んで裕福な中国人青年の『愛人』になった。貧しい暮らしの中で狂っていく母と阿片に溺れる兄と暮らしながら、最初は快楽のため、やがて青年から貰う金のために二人の関係は続いたが……。一人称と三人称が混じり合う詩的な文体に乗って、少女の心情が変化していく描写は美しい。決して読みやすい小説ではないが、時折目が覚めるようなフレーズに出会える。奔放に生きたマルグリット・デュラスの自伝的小説。

2016/01/14

扉のこちら側

初読。2016年11冊め。【105/G1000】読み始める前にタイトルから内容を想像するのが常で、今作は「40代の円熟したマダムと愛人のパリでのめくるめく日々の話」かと思っていたら、まさかのサイゴン、まさかの15歳! 「仏領インドネシアでの裕福な華僑青年と貧しいフランス人少女」だとは。一人称に時々三人称が混じる不思議で私的な文体。全体の雰囲気は好きだ。

2016/01/08

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