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ブレストの乱暴者 (河出文庫 シ 3-1)

ブレストの乱暴者 (河出文庫 シ 3-1)

ブレストの乱暴者 (河出文庫 シ 3-1)

作家
ジャン・ジュネ
Jean Genet
渋澤龍彦
出版社
河出書房新社
発売日
2002-12-01
ISBN
9784309462240
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ブレストの乱暴者 (河出文庫 シ 3-1) / 感想・レビュー

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優希

愛と裏切りが奇跡的に融合し、独特の甘美で乱暴な世界を作り出していると思います。殺しあうほどの嫌悪感が狂気ともいう同性愛に結びつく魔術に引き込まれました。増殖するように生まれる自己の輪舞が低俗であり高尚、醜くありながらも美しい独特の色彩を描きだしています。艶やかで甘美な男たちの暴力的な姿に圧倒的な力を感じました。

2018/01/15

ふくしんづけ

ただひたすらに影である。闇一面であるからこそ、そこに一筋の光が生じる。ジュネの文章もまた、常に観念的で、意識をミクロ単位で書き出すので、なにを言っているかわからなくなる部分もある。だがわざとそうするのではなく、それでしか形成し得ないジュネの願望がそこにあるのだ。〈殺人の観念は、しばしば海の観念、水兵の観念を呼び起す〉闇の中でしか生きられぬから観念的に語るこの文章、そして水兵服のズボンの合わせ目という、特定の視点にフォーカスすることでそのあけすけな欲望がなにか光と感じる、そこにジュネの言葉の魅力がある。

2022/02/17

彩菜

セブロン少尉の同性愛故の孤独から生まれたと書かれる主人公クレル。少尉が密かに愛する水兵で犯罪者の彼はブレストで殺人と盗みを犯し、彼なりの贖罪に同性愛の世界に入る。そこに愛はないと作者は書くので少尉同様孤独だが愛し合う程瓜二つの弟がいて一人ではない。又彼は盗みを聖化する為自分の一部とも思う友を生け贄にする。警察は少尉の不安を映すように同性愛者を犯人として探し、クレルに友達だと言われた翌日逮捕された少尉は自らも彼の罪を被ってしまう。少尉は彼の一部とされ自身もそう望んだんだろうか。孤独だが一人ではない愛する男、

2018/10/08

やまら そたお

言葉の組み合わせの妙でこれほど力のある小説を書けるのか。内容は男色、盗み、殺人、と相変わらずなのに。

2013/07/27

さとー

水兵で犯罪行為の常習者クレルとカリスマヒモニートロベールという瓜二つのイケメン兄弟をめぐる人々の混沌を大筋に、犯罪の心理をちょっと悲しく、現実的に描いた名作。あらゆる人の心や境遇を乱して、クレルは変わらず水兵として港町を離れていく。自分で自分を罰しているから、これからも犯罪者であり続けるだろう。

2011/11/15

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