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ジャンキー (河出文庫 ハ 5-2)

ジャンキー (河出文庫 ハ 5-2)

ジャンキー (河出文庫 ハ 5-2)

作家
ウィリアム・バロウズ
William S. Burroughs
鮎川信夫
出版社
河出書房新社
発売日
2010-08-03
ISBN
9784309462400
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ジャンキー (河出文庫 ハ 5-2) / 感想・レビュー

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ケイ

彼が何となく始めてしまったことが嘘のようだ。ジャンキーたちの日々は人間として生きる価値の喪失。生きる意味などないではないか、と読むほどに思う。『「なぜ麻薬常用者になるのか」なろうと思ってなる訳では無い。かりにも麻薬の習慣と言えるものが身につくには少なくとも1日2回ずつ注射を打って三ヶ月かかる』『麻薬は何もかも奪い、麻薬切れの苦しみを確実に防ぎとめるという保証以外は何も与えない』『なぜジャンキーは自ら進んで麻薬をやめるのだろうか?麻薬をやめようという決意は肉体の細胞の決意なのだ』

2018/03/18

GaGa

初バロウズ。麻薬常用者の体験を存分に生かした作品で、おかしなリアリティにあふれた傑作。この手のテーマにありがちな、蘊蓄のうっとおしさも少なく、サクサクとあっさり読めて楽しめてしまうことが逆に背筋が寒くなる。

2012/07/04

川越読書旅団

東京堂書店においてビートジェネレーション特集が組まれており手にとる。ひたすら主人公(ウィリアム・バロウズ本人と思われる)のジャンキー(麻薬常用者)っぷりを描写するビートニクスの模範たる内容。退廃的ではあるが、決して悲壮感や虚無的はなく、やもすれば笑いが込み上げている箇所も。是非、他のビートニクス作品も読んでみたい。

2021/09/18

テツ

ジャンキーによる自伝。インテリ兼ハードコアジャンキーのバロウズが書くその手の文章が面白くない筈がない。「麻薬は刺激ではない。麻薬は生き方なのだ」というイカれた一文からも解るように内容も現代日本では到底考えられないような薬物中毒者の日常を描いている。勿論法律では許されていないし肉体や精神を蝕むのは明らかなんだけれど、入手に苦労する部分なども含めて、こうしたチープな快楽が身近にあるってのは幸福なことなのかもしれない。

2017/12/10

みゃーこ

ジャンキーとは回復不能の薬物常用者だ。一度ジャンキーになったら永遠にジャンキーだ。麻薬を使うのはやめられるけど、でも最初の習慣がついたら絶対に麻薬からは足を洗えなくなるという。ジャンキーは時間の感覚はない。ひたすら快楽と禁断症状を繰り返す..時間の概念すらそこには存在しない。人間のクズといえる連中が登場するが、「なぜジャンキーになったのか?」との問いが頭から離れない。習慣になる前の一発、その境界を超える時の「因子」が何なのか?本書の心理描写に自分の中にも潜む潜在的ジャンキーの因子を発掘した気がした。

2012/09/10

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