差異と反復 上 (河出文庫 ト 6-7)
ジャンル
差異と反復 上 (河出文庫 ト 6-7) / 感想・レビュー
koke
ただでさえ難解なのに、諸事情により長く中断してしまったせいでなおさら苦戦した。既存の哲学が前提してしまっている点を全てひっくり返そうという野心的な著作。差異それ自体、即時存在としての差異を考えることでそれは成し遂げられるとのことだが、なぜそんな不思議なことを思いついたのだろうなあ。
2023/02/19
メルキド出版
「デカルト的コギトとカント的コギト、未規定なもの、規定作用、規定されうるもの」「ひび割れた《私》、受動的な自我、そして時間の空虚な形式」
2020/03/28
wadaya
これまで読んだ本の中で最も難解だった。先づはドゥルーズ的思考「微分的」について。世の得体の知れない事象を関数y=f(x)とする。yは従属変数でxは独立変数である。反復とは1+1ではなく累乗的である。つまり関数のグラフは曲線になる。事象は瞬間の集合体であり曲線を微分dy/dxすることによって求められる。微分とは曲線を傾きが無い直線にまで細分化することである。それはほぼ瞬間という点になる。1ピクセルと化した直線の傾きをドゥルーズは「強度」と呼ぶ。この傾きが大きい程、差異が大きいということになる。(下巻に続く)
2018/01/06
記憶喪失した男
1968年ドゥルーズ「差異と反復」。哲学書の読書量はすごい。
2017/10/04
Bevel
ヘーゲルの一般化普遍化を目的とする抽象ではなく、内的差異と連続できる、ライプニッツの微分的な比による抽象によってこそ、表象を脱根拠化できる。さらに、潜在性から権利上想定される時間概念は、今まで身体に器官があったことを無視するような直線的な第三の時間において壊されて、差異は記憶とともにまったき反復をする。そして、部分対象性による欠如からくる潜在性の超越論的表現であるシーニュは、シミュラークルとして、仮面として、現実的なものとは区別がつかない、とまとめてみた。
2011/04/06
感想・レビューをもっと見る