花のノートルダム (河出文庫)
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花のノートルダム (河出文庫) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
こんなにも「綺麗は汚い、汚いは綺麗」を体現した本はあっただろうか?煌びやかで刹那的な人殺しの男娼と女衒の日常と関係性からの転落。猥雑なのにあっけらかんとして物悲しく、汚穢に満ち溢れている筈なのに花や着物の色が万華鏡のように美しく、煌く。牢獄の中で病毒と汚穢と血に塗れて死んでしまった人殺しの姿はまるで宗教画のような崇高さと美しさを湛えている。花びらが一枚、一枚と堕ちていくような緩慢なる滅びの美しき一瞬を眼に焼き付けられたような気持ちです。
2014/01/23
やいっち
やはり、すごいとしか言いようがない。エロティシズとかじゃなく、ある種のストイシズム。痛切な天邪鬼なのか。サルトルの『聖ジュネ』を読みたくなった。
2016/06/26
北風
登場人物たちの誰も彼もが彼女で、男か女かわからず混乱した。綴られる言葉は美しい。綺麗は汚い、汚いは綺麗、といった様相。美しい言葉の中に落ちている卑猥な言葉はそこだけくっきりと目立つ。ステンドグラスのように登場人物たちは美しいけれど、その背景は継ぎ接ぎのモザイク模様のように見えてこない。彼らの世界はきらきらしていて、汚くて、こっちのほうがいったいどうしたらいいのかわからなくなってしまう。
2011/07/24
海野藻屑
不思議な感情が湧いた。子供も大人も男も女も平等に酷い目にあう世界ではチカラこそが全てだ。そして、そのチカラこそ人間が本質的に求めるものなのだと思った。
2017/07/08
南禅寺の小僧
最高だ。永遠に読んでいたかった。
2014/07/04
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