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イデオロギーの崇高な対象 (河出文庫 シ 6-2)

イデオロギーの崇高な対象 (河出文庫 シ 6-2)

イデオロギーの崇高な対象 (河出文庫 シ 6-2)

作家
スラヴォイ・ジジェク
Slavoj 〓i〓ek
鈴木晶
出版社
河出書房新社
発売日
2015-08-06
ISBN
9784309464138
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イデオロギーの崇高な対象 (河出文庫 シ 6-2) / 感想・レビュー

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koke

再読。話題は多岐にわたるが常に象徴界と現実界の境界に注目を促している。たとえばヒステリーでは主体が象徴的同一化をまっとうすることができない。具体的には女性・妻などの社会的地位を課せられていることへの無意識的抵抗ということだろう。だがジジェクいわく主体の地位そのものがヒステリー的であり、主体は象徴界の問いに対する現実界の応答なのだという。こう言われるとつい構造とその項という風に解釈したくなるので難しい。現実界込みの発想に慣れるためにそのうちもう一冊読みたい。

2023/03/27

しゅん

「わかりやすい」と言われているが、後半は理路が追いつけず。ヘーゲルの「絶対知」が一つの強い諦念の表れだというのは惹かれるアイデアなのだが、その主張の論拠が頭に残っていない。マルクス主義における世界革命と局地戦の相違を前提としつつ、現実界には永遠に触れられないというラカン的テーゼを解説していく。これをもっとわかりやすくすると斎藤環『生き延びるためのラカン』か。否定すればするほど強固になるイデオロギーの構造には納得しかない。もう一度読みます。

2023/03/13

rassy0

ジジェクの初書籍。比較的わかりやすかったし、内容は面白かった。読み物として素直に面白い。一方で、一文一文時間かけて丁寧にやる読み方すると割とわからんくなるところも。だから、ただ趣味として読む分には無視してざくざくページを進めたほうが幸せ。本書が主にラカンを手掛かりにジジェク思想を展開してるとすれば、『ヒステリー』を、主にヘーゲルに乗っかって展開するものとして、対置してよいでしょうかね(本書でもヘーゲルは引かれるが)。

2019/11/08

井蛙

ポスト構造主義者たちは、テクストとその解釈を同一の地平線上に置き、あらゆるテクストをそれ自身の解釈を含んだ無限の連続体に置き換える。このような主張においては、すべての玉石混淆たる読解が審美的な次元に平準化されてしまう(そしてこの操作の裏には、ポスト構造主義者たちによる〈メタ言語〉の専横が隠匿されている、というのがジジェクの批判である)。一方ラカンによれば、テクストはそれ自身の不可能性を結晶化した対象の現前によって、その同一性を「遡及的に」担保されるのである。この対象こそがシニフィアンとしての男根なのだが→

2021/01/17

急性人間病

ジジェクが「ラカンが喋る時の身振りは馬鹿げた誇張」と、同じくらい身振りしながら語る件の動画を先日見た時は、くふふ、と笑ったものだが、本書を読むとそれに対する“同じこと自分もしてんじゃん”という指摘が一体実際には何を指摘していたのだろうかと考え込まざるを得ない。個人的にいちばん印象的だったのは“問いの基本的猥褻さ”(P331~)についての検討のところで、よく言われるような「なぜ」を使って人を叱る事の暴力性について、別アングルで撮ったような感じがしてなんかおもしろかった。

2023/03/25

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