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ザッヘル=マゾッホ紹介 (河出文庫)

ザッヘル=マゾッホ紹介 (河出文庫)

ザッヘル=マゾッホ紹介 (河出文庫)

作家
ジル・ドゥルーズ
堀千晶
出版社
河出書房新社
発売日
2018-01-05
ISBN
9784309464619
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ザッヘル=マゾッホ紹介 (河出文庫) / 感想・レビュー

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syaori

本書が語るのは、サドとマゾッホの物語は「まったく別」のもので、サディズムを反転させればマゾヒズムについて語れるわけではないということ。法の原理に対しアイロニーに満ちた方法でその欺瞞を告発するサドに対し、法に服従しながら「これをしてはならない」を「これをしなければならないに変換」しその不条理を示すユーモアに満ちたマゾッホの方法というように作者は両者の志向や手法の違いを様々な角度から明らかにします。それによりサド=マゾヒズムという幻想を鮮やかに解体し、加えて彼らの物語の魅力や意義も改めて教えてくれる本でした。

2019/09/06

ころこ

タイトル通りMが主題であり、Sとは非対称であるというのが主張です。Sは否定です。主体から相手に対する直接的な暴力や拷問により、制度として相手の欲望や快楽を否定します。主導権は暴力や拷問をした側にあります。それに対して、Mは否認です。現実は違うが、あたかもそうであるように振舞うことによって、現実を宙吊りにして新たな地平を拓く。相手との契約によってはじめて成立する相補的な関係であり、主導権はむしろ暴力や拷問をされる側にあります。本書を手に取る動機が疚しいものであっても良いのです。AVなどを観ても、Mは時として

2021/10/02

しゅん

ここでドゥルーズが論難している「サドだけ読んでマゾッホを取り上げない人間、マゾッホをサドの補強物としかみない人間」って正に私のことでした。サドとマゾッホは全く関係ないことを精神分析などを用いながらひたすら説明する。マゾッホの文章における「虐げられるのは父」「父権を無化する母権の非情さ」はもっと考えなくてはいけない気がする(まずはマゾッホを読まなくてはいけない)

2019/12/30

ごじ

新訳で再読。初読時、私はシエラレオネの子ども兵士のケース分析をしていたので、ヒントを求めて参照した。彼らにとってサド=マゾヒズムは反転しやすい。割れた鏡を修復する必要から、過剰な暴力、無用な苦痛を回避するという国際法上の規約を敷衍し、嗜虐は矯正されるべきという論旨を組んだものだ。つまり本書の逆を行った。それもひとつ。少なくとも私はドゥルーズと違うアプローチをした。コレをまじめに取ると法がなくなっちゃうし。それにしても、今、第二章を読むと、フロイト的二元論の曼華鏡が華厳の世界に重なっていく感覚がありました。

2021/01/29

渡邊利道

精神分析に影響を受けたサド=マゾヒズムという双子的な思考(理解)を退け、サド的なものとマゾッホ的なものをまったく違う「配分」「構成」による思弁的な欲望であると明晰で果断な文章でぐいぐい描いていく哲学的文芸評論、あるいは文芸を扱った哲学書。概念を分類しながら再配分するスピード感がまったくもってドゥルーズを読む醍醐味を感じさせる。フロイトの精神分析が超越論的なのだというのはけっこう核心を突いていて面白い。新訳でさらにスッキリ明晰になった印象。

2018/03/11

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