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短くて恐ろしいフィルの時代 (河出文庫)

短くて恐ろしいフィルの時代 (河出文庫)

短くて恐ろしいフィルの時代 (河出文庫)

作家
ジョージ・ソーンダーズ
岸本佐知子
出版社
河出書房新社
発売日
2021-08-05
ISBN
9784309467368
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短くて恐ろしいフィルの時代 (河出文庫) / 感想・レビュー

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はっせー

テレビでおすすめの本にあがっていたのを見て購入。読みやすい長さでありSF好きにもおすすめできるし海外文学好きにもおすすめできる。要するに誰にでもおすすめできる本!内容はディストピアに分類される。内ホーナー国と外ホーナー国のお話。内ホーナー国はとても小さな国。その周りを囲んでいるのが外ホーナー国。今までは特に争いもなかった。しかし内ホーナー国が縮小してしまい体が外ホーナー国に出てしまった。そこから少しずつ話が動き出す。荒れた世の中で輝くフィル。その姿はまさにジョージ・オーウェルが描く動物農場であった!

2022/03/30

Shun

訳者も触れているようにオーウェルの「動物農場」のような寓話的な風刺作品と説明するのが適当だろう。ですが本作はそういった文学的な意味を考えず読んでもきっと面白いお伽話です。例えば動物農場だと人間の代わりに農場で囲われているような動物しか出てこないのでとても想像しやすいが、本作は完全に未知の生物が主役で舞台となる国々はこれまたあり得ない形なのです。(極小の国土や狭小な形の国)そこへフィルという男の登場。彼は脳がラックから外れる度に熱狂的演説をかまし独裁者の道を進むのだが・・・。そして末路はまあそうなるよね。

2022/01/02

そふぃあ

一度に一人しか入れないほど小さな国や、人物造形で「ベルトのバックルに青い点を一つくっ付けてツナ缶の空き缶に接着したような感じ」とか、スライド・ラックに固定されている脳とか、こんな奇妙で面白い描写は初めて見た。理不尽に略奪や処刑が行われるが、こういう出来事が実際にあって、今も起きていることが恐ろしい。「短いセンテンスでわかりやすい正義」を語り、「敵をモノに貶めておいてから大手を振って抹殺しようとする」のは現代のテロリズムでも常套手段。どうか混沌を混沌のまま見つめる眼を多くの人が持てればいいと思う。

2021/08/11

ロア

童話だと思ってほんわか読み始めたら全然違った!( ゚Д゚)フィルと仲間達による非道と残虐に第5チャクラ痛発症しつつも、タイトルにある「短くて」という言葉に励まされながら何とか読了。キャルやフリーダが解体される場面は悔しさと怒りがこみ上げ、マスコミの三人の小男たちがメガホンで叫ぶプロパガンダには戦慄した。ラストでリオーナが「短いセンテンスで分かり易い正義」を語る人々に支配される世界を夢想する姿は、いつの日かまたフィルのような独裁者が現れる事を予感させ、ぞっとした。翻訳者は信頼の岸本佐知子さん!(*´ω`*)

2021/10/30

田氏

キャラクターがどれだけ異形であろうとも、これが寓話と言われるのは、キャラクターたちを動かす行動原理がまぎれもない人間のそれだからだろう。そして忘れてはいけないのは、寓話や暗喩といったものが、事物そのものを表してはいないことだ。表しているのは「見方」である(究極的には、それが言語の機能ということになるのか)。寓話は見方を共有せしめるが、共有できたことを事物それ自体に還元してしまうのは誤謬となる。この寓話は「善良な私たち」からの「化け物」の見方を共有するが、それを何らかの事物に投射するのも大きな大きな誤謬だ。

2022/05/15

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