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憑きもの (怪異の民俗学【全8巻】)

憑きもの (怪異の民俗学【全8巻】)

憑きもの (怪異の民俗学【全8巻】)

作家
小松和彦責任編集
出版社
河出書房新社
発売日
2022-08-26
ISBN
9784309618111
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憑きもの (怪異の民俗学【全8巻】) / 感想・レビュー

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HANA

動物や他人が人間に憑依する事を「憑きもの」という。本書はそんな「憑きもの」を、歴史や民俗といった様々な観点から実例豊富に読み解いた一冊。柳田国男や喜田貞吉といったビッグネームが冒頭にあるけど、正直現代の目から見ると時代を感じるなあ。以下、平安時代の憑依と気の関係や憑きものが近代「脳病」に収斂されていく過程。現在でも医と共存する拝み屋や登校拒否や都市、沖縄に名残を残す憑霊現象。七人みさきやシソ送りといった行事も含めて何れも興味深い論考ばかり。日本文化の底流を流れる憑きものの数々を興味深く読めお勧めです。

2022/09/22

テツ

その場その時に幸運に恵まれた人間を「あいつはツイている」などと言うが、あれは憑き物が憑いているという意味であり、そうした超常的な何かが「憑く」という考え方はある共同体の中での富の偏りや、精神に変調をきたした人間への意味づけとして使用されてきた。そんな本邦における憑きものを民俗学的な視点から眺め説いていく一冊。異なるパラダイムに存在する何かの影響に原因を見出すというシステムは、毀誉褒貶の理由全てを個人に押しつけていくよりも優しいのかもしれないな(昔は差別がなかったなどという単純な意味ではなく)

2022/11/06

佐倉

近現代から狐憑きが如何に神経や脳といった言葉に置き換わっていったか、それによって”狂”についての人々の認識が治療可能なものから不治のものへと変わって行ってしまったのではないか、と投げかける『狐憑きから「脳病」「神経病」へ』川村邦光、ある人物が自分の精神病を狐憑きという言葉によってどのように意味づけていったかを論じる『キツネつきをめぐる解釈』松岡悦子、四国の僻村において近代医療と民間信仰が併存していた状況を報告する『いのれ・くすれ』波平恵美子など憑き物が現状を意味づけるための装置であるとする論文が印象的。

2024/04/01

らむだ

2000年発刊の『怪異の民俗学 1 憑きもの』の新装復刻版。民俗学の資料を中心に、文化人類学・国文学・社会学・精神病理学など様々な分野から論考を集めたテーマアンソロジー。いわゆる〝憑き物〟が中心だが、憑霊現象・七人みさき・岡山のシソ(呪詛)送り・長野県のコトノカミ送りなど幅広い主題が選ばれている。

2023/06/18

tama

図書館本 栞紐が恐らく売られた時のままでカチカチになって原形を保ってた。それにしてはどこかのバカ者が栞代わりに鉛筆で鍵カッコをいくつも書き込んでる。そう言う町だ。で、憑き物のこと。牛蒡は護法のこととか。狐,蛇は分かる。荼枳尼天、弁財天の使いだから。犬は山犬、狼で「強い山神」。でも、狢、狸という弱っちぃ連中がなぜ憑き物になれたのか分からない。一言も触れてない。明治時代の薬の宣伝「精神病一切の発明特効新薬 狂人の親戚一回用いば必ず云々」凄いねー!

2023/01/12

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