挑発する少女小説 (河出新書)
挑発する少女小説 (河出新書) / 感想・レビュー
榊原 香織
面白い! バッタバッタと切りまくる! ”ハイジ”の、偏屈じじい、出稼ぎ少女の星、には笑ってしまった。 ほんと、口が悪いww ”秘密の花園”のコリンは、”少女小説史上類を見ない、甘ったれのクソガキ”ww
2021/11/02
帽子を編みます
どう感想を書くべきか、頷ける部分もあります、しかし、いやそれは違うでしょうと思う部分もあります。心がざわつく一冊であることは確かです。作者は敢えて挑発しているので、それに乗るか、醒めた目で否定するかで変わってくるでしょう。女性史にも当然詳しいはずの作者が、敢えて書かれた当時の常識ではなく現代での視点で挑発するのは、なぜなのか?弱き者がどのように戦うべきか、何を武器に挑むべきか。「おんなこどもが」楽しく読んでいた本にもこのような読み方が出来るのは驚きがあります。
2021/11/22
とよぽん
一瞬、少女小説を挑発する本かと思ったが、逆だった。19世紀後半から20世紀前半に書かれ、作者も多くは女性だった『若草物語』や『赤毛のアン』、『あしながおじさん』などを取り上げている。そもそも、少女小説は良妻賢母教育のツールとして子供たちに与えられたもの。しかし、実際には因習やジェンダー不平等に抗えと読者を挑発し刺激する要素に満ちており、ちょっと抑え気味の美奈子節による分析が面白かった。英、米、スイス、カナダ、ドイツ、スウェーデンの作家たち、素晴らしい。
2021/10/26
活字の旅遊人
『小公女』『若草物語』『ハイジ』『赤毛のアン』『あしながおじさん』『秘密の花園』『大草原の小さな家』『ふたりのロッテ』『長くつしたのピッピ』。見事に、前から五作は何らかの形で触れたことがあり、後ろ四作は、実はほとんど知らない。が、どちらも興味深い解釈。こういうのを読むと、文学部で勉強したいなあ、と思う単純オヤジです。あとがきに男子は少女小説を避けるが、女子は少年小説を読む、とあり、納得。前五作だってアニメで観たんだよな、確かに。これもジェンダー洗脳だよなあ。どれもネタバレなのに読みたくさせる技にも感心だ。
2021/08/28
おかむら
「小公女」「赤毛のアン」「若草物語」など 往年の名作少女小説を現在の知見で読み直してみる試み。セーラがこんな子だったなんて!ハイジは出稼ぎ少女?アンが過剰におしゃべりなわけは。長靴下のピッピはパロディ?等々、斎藤美奈子によるイジワル且つ的を得た指摘が楽しい! 今NHKでやってる「アンという名の少女」がたぶん原作とは大分違う展開になってますがそれはそれで楽しいわ、と思うタイプの人はこの本も楽しめるはず。ピッピ3部作は昔々持ってたので繰り返し読んだはずなのに半世紀経つと全く忘れてたー。けど思い出したー。
2021/10/29
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