挑発する少女小説 (河出新書)
挑発する少女小説 (河出新書) / 感想・レビュー
榊原 香織
面白い! バッタバッタと切りまくる! ”ハイジ”の、偏屈じじい、出稼ぎ少女の星、には笑ってしまった。 ほんと、口が悪いww ”秘密の花園”のコリンは、”少女小説史上類を見ない、甘ったれのクソガキ”ww
2021/11/02
がらくたどん
『名作うしろ読み』の着眼点もフランクな語り口も大好きだった斉藤さんの「少女小説考]とあっては素通りできない。おっもしろかった~♪「小公女」から「ピッピ」まで有名どころの「少女小説」9作を少女像の表と裏から解剖していく。大昔の平均的少女の私は、憧れたり羨んだり歯痒かったり励まされたりと当時きっちり9作堪能したのだ。当時はただただ熱中しただけだったが、まんまと表にほだされ裏にけしかけられて今に至った事がよくわかる。残るべくして残ったロングセラーの時代的な制約に対する確信犯的な企みの狡賢さと勇敢さが愛おしい。
2022/10/28
ネギっ子gen
面白かった。っていうか。このタイトル名で、この著者なら、面白くって当然か。<シンデレラ物語を脱構築する『小公女』/異性愛至上主義に抵抗する『若草物語』/出稼ぎ少女に希望を与える『ハイジ』/生存をかけた就活小説だった『赤毛のアン』/社会変革への意思を秘めた『あしながおじさん』/肉体労働を通じて少女が少年を救う『秘密の花園』/父母の抑圧をラストで破る『大草原の小さな家』シリーズ/正攻法の冒険小説だった『ふたりのロッテ』/世界一強い女の子の孤独を描いた『長くつ下のピッピ』>。おお。この魅惑的なラインアップ!!⇒
2022/10/23
帽子を編みます
どう感想を書くべきか、頷ける部分もあります、しかし、いやそれは違うでしょうと思う部分もあります。心がざわつく一冊であることは確かです。作者は敢えて挑発しているので、それに乗るか、醒めた目で否定するかで変わってくるでしょう。女性史にも当然詳しいはずの作者が、敢えて書かれた当時の常識ではなく現代での視点で挑発するのは、なぜなのか?弱き者がどのように戦うべきか、何を武器に挑むべきか。「おんなこどもが」楽しく読んでいた本にもこのような読み方が出来るのは驚きがあります。
2021/11/22
ばう
★★★★ 「ねぇみんな。女の子だからって見くびらないでね」そうか。あの頃読んだ本にはそんなメッセージが詰まっていたのか。いやぁ面白かったです!子供の頃夢中で読んだ物語の数々。どの本も挿絵までよく覚えている。本書はそんなワクワクした少女小説をバッサリとぶった斬った本。いや、本当にぶった切ってます。えっ、あの本はつまりそういう本だったの?確かに子供なら単純に物語を楽しんで終わりだけれど、大人が読むとあちこち突っ込みたくなる箇所だらけ。とりあえず本書で紹介された9つの話を新たな視点でもう一度読んでみたくなった。
2022/11/02
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