作家と楽しむ古典 松尾芭蕉/おくのほそ道 与謝蕪村 小林一茶 近現代俳句 近現代詩
作家と楽しむ古典 松尾芭蕉/おくのほそ道 与謝蕪村 小林一茶 近現代俳句 近現代詩 / 感想・レビュー
アキ
日本の詩歌には俳句・短歌・詩の3つが共存している世界でも珍しい現象がある。それぞれ俳人・歌人・詩人と名乗り相容れない。しかしいずれも韻文でありそれが元に散文の出来を左右し、さらに広告のキャッチコピーから歌の歌詞まで韻文は文芸全体の骨格をなす。芭蕉は江戸時代前期。「おくのほそ道」は1689年の旅の後1692年後半に執筆した。平泉が折り返しで松島と象潟を対称に配置していると見る。永遠の流転と人の世の儚さ、2つの矛盾する概念から永遠なる美を見出すのが、芭蕉の考えた旅人の理想。蕪村は江戸中期の俳人。(続き)
2019/07/14
かふ
池澤夏樹個人編集の日本文学全集『おくのほそ道 与謝蕪村 小林一茶 近現代俳句 近現代詩』のガイド本。全集を読んでなくてもそれぞれの俳人の読みどころを語っているので興味深い。池澤夏樹だけは「近現代詩」だが、声に出して読みたい日本の詩という趣。日本の詩歌には七五調が根付いている。以下、https://note.com/aoyadokari/n/n173adc7639fd
2022/01/21
えいこ
図書館本。松尾芭蕉から近現代の俳人まで解説。「奥の細道」の解説をいくつか読んで、ようやく少し理解できてきたところ。松島と象潟が平泉をはさんで左右対称など構成の妙、歌枕を尋ねる旅により和歌の世界を再び立ち上がらせるとか、紀行文というにとどまらないかなり広がりのある評価。俳句を特徴づける「軽み」も芭蕉から始まる。与謝蕪村の句に有るサウダーデの感覚というのも新鮮。長谷川櫂による小林一茶の再評価も良き。あらためて読むと好きな句が多い。
2022/12/26
azuno
図書館の新刊本コーナーで。高名な評者の講演を元にした本、もしくは最初から書籍化する目的で講演を行っているのか?なんにせよその為か読みやすかった。このシリーズ数点あるようだが、俳句と詩の本刊はより評論臭が強いと見た。長谷川櫂さんの強烈な自負(古池やの句の件)が印象的。
2019/09/16
いのふみ
芭蕉、蕪村、一茶、近現代俳句、近現代詩と並べてもらうと、時系列がわかるのと同時に、一茶が芭蕉・蕪村への批評から出てきたという作風の推移も理解できる。そこから近現代へ移行し、さらに意外にも、俳句が詩にも影響を与えているのだ。
2022/12/24
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