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愛するということ 新訳版

愛するということ 新訳版

愛するということ 新訳版

作家
エーリッヒ・フロム
Erich Fromm
鈴木晶
出版社
紀伊國屋書店
発売日
1991-03-25
ISBN
9784314005586
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愛するということ 新訳版 / 感想・レビュー

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徒花

非常におもしろい。けど、タイトルとは裏腹にかなり本格派の哲学書なので、とっても抽象的で難解な言葉と文章をしていることは留意したほうがよい。また、随所にフロイトの提言およびそれに対する反論があるので、そこら辺の知識もあると読みやすい。ただ、最終章に限っては自己啓発的な内容になって平易ではある。すごく端的にまとめると「愛は技術であり、だからこそ人は『愛すること』を練習する必要がある」ということである。その方法を読んでみると、昨今話題のマインドフルネスに近いものがあり、これはこれで興味深い。

2016/11/26

ひろちゃん

これを読んで思い浮かんで来たのはエリクソン。人生には8つの課題が与えられている。自分を知るということの大切さから自我同一性の確率という青年期の課題を思い出して、親密性の獲得という成人期の課題を思い出しました。今まで出来た好きな人、恋人を思い浮かべて愛とは何か?考えるよりもまず浮かんできたのは親や友達など身近な人と向かい合えているか?それに向けて自分を知っているかということ。そう考えると私は人を愛したことがないということに気づけた本でした。

2016/03/27

mukimi

私の32年の人生への通知票を読んでいるようだった。自分がこれまでの人生をいかに自己中心的に生きてきたか、与えられて当然と思ってきたか、自分の欠点を他者に投影して批判的に生きてきたか、自分のワーカホリックさはいかに受動的で依存的な性格から出ていたものかを確認するような、痛いところを突かれ続けるハードなツボ押しのような読書だった。しかしこの痛みを通してこそ愛は技術であるという意味を理解できる。与えることこそ生命力の表現でありもらうことよりずっと豊かになれる。生産的・能動・集中・謙虚を今年度の目標ワードにしよう

2021/04/17

青蓮

十年振りにフロムの著書を読みました。本作は「愛するということ」がどういう事なのかを心理学的、社会学的に論じています。読んでいて目から鱗が落ちまくりでした。自分と本書を照らし合わせてみると私が持つ「愛」は貧弱で未熟な上に、フロムが言う所の「愛」とは程遠い事が解りました。「愛するということ」の技術の習得には規律、集中、忍耐、最高の関心が必要であるとフロムは言う。「たくさん持っている人が豊かなのではなく、たくさん与える人が豊かなのだ」「愛とは愛を生む力であり、愛せないとは愛を生むことができないということである」

2016/03/22

Cambel

愛することは修練が必要な技術である。眼から鱗でした。愛の技術を得るためには、日々の生活に集中して、自己をコントロールして、内面を高めていかなければならくて、愛には怠惰がない。既婚者は結婚は忍耐だということを笑い話のように言うけれど、上手く行っている夫婦や家族は忍耐でなく愛の修練を積んでいるのだろう。反対に本当に憎しみあっていて仕方なく一緒にいる夫婦も結婚は忍耐で墓場なんだろうけど、状況は全く違う。不倫や浮気も、集中してないから、他所がよく見えてフラフラしてしまうのだな。浮気は愛の怠惰。

2019/11/29

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