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おだやかな死

おだやかな死

おだやかな死

作家
シモーヌ・ド・ボーヴォワール
杉 捷夫
出版社
紀伊國屋書店
発売日
1995-02-22
ISBN
9784314006972
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おだやかな死 / 感想・レビュー

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まさかず

癌告知をせぬまま迎える最期の時。病状を知りながら「生きる」という母の願いを聞くことの辛さ。嘘。助からぬと悟った母に沈黙を強いてしまう無力感。私達を常に分かつ境界。間際でなければ赦すことも認めることも、関係を振り返ることも、与えられたものへの思いも、こんなに心を凝らして見つめただろうか。世に多様な親子の関係はあれど命をいただいた事実だけは消せやしない。生者の側から苦悩すること。これは残された者ができる数少ない役割と責務なのだろう。死は不当な暴力と言い切る結び。これほど寄り添った鎮魂歌を僕は他には知らない。

2021/06/22

Rie

「母はいともおだやかな死を通過した。めぐまれたものの死を。」感想はうまく言葉にできない。本当にそうなのか、それも私には分からない。「不幸は、万人に共通のこの冒険を、各人が単独で生きるということである。」

2013/09/12

「誰か愛する者が死ぬと、私たちは胸を刺す無数の悔恨を支払って生き残る罪をつぐなう。そのひとの死はそれがかけがえのないただひとつの存在であったことを私たちにあかす。」

2011/01/03

n_kurita

読むのが正直つらかった。母親にも少女の時代がある、それは当然のことながら、想像もしてこなかった(それにしても父親は屑すぎてそこもつらい)。人ごとではなさすぎて…

2023/01/09

nananacalling

読んでいる間にぐっときた文をもっと控えておけばよかった。おだやかな死、なんてね。死が過去を凝縮させる。それは生きているときもそうだ、と思った。 ソクラテス『わたしは多数として生まれ、ただ一人として死んだ』

2020/12/16

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