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瀬名秀明ロボット学論集

瀬名秀明ロボット学論集

瀬名秀明ロボット学論集

作家
瀬名秀明
出版社
勁草書房
発売日
2008-12-12
ISBN
9784326101856
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瀬名秀明ロボット学論集 / 感想・レビュー

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晴れの国のにっしぃ

ホラー(『パラサイト・イヴ』はこの分野になるらしい)&SF作家である瀬名秀明氏のロボティクス(ロボット学)に関して書き、語った論考をSFを絡めてまとめてある。やはり『アトムの呪縛』に囚われ続けている私たちの世代には、どストライク。ちょっと難しいところもありますが、興味深く読ませてもらいました。瀬名氏の考えるロボット学のおさらい&お勉強をしたので、本書の中でも取り上げられている瀬名氏の作品、『八月の博物館』・『ハル(“あしたのロボット”改題)』・『デカルトの密室』などを再読したくなりました。

2010/11/25

ぐうぐう

ここ数年、ロボティクスを追求し続けている瀬名の、ロボット関連の発言と論文を時系列で収めた論集。そもそも、ロボットを作ろうとするときに避けられないのは、心とは?意識とは?自己とは?といった定義の問題なのだが、そのどれもが未だはっきりと定義されてはおらず、つまりロボットを考えるということは、人間を、そしてこの世界そのものを考えるに等しいことに気付かされる。今年読んだ中で、一番刺激に満ちた本だった。

2009/07/08

roughfractus02

本書は、ロボティクスの歴史をフランケンシュタイン・コンプレックスに由来するアシモフ「ロボット工学の三原則」以後の変容として辿る。そこから著者は、2つのクイーン問題(探偵の解決は真の解決かという非決定論と探偵は神のごとく振る舞えるかという決定論)、ロボットが人間に似るほど人間側が違和感を持つ「境界知」の問題(通称「不気味の谷」)の両者を、ロボットの身体の物語性、人間の身体の物語性、さらに物語の身体性から検討する。工学と文学からロボットに接近するロボット学は、身体の構成の側から人間とは何かという問いを立てる。

2020/06/01

zope

人間を定義しなければロボットを作れないというの矛盾に対して研究者達の取り組みを瀬名秀明というフィルターを通して語られています 人間の定義をあまり突き詰めすぎても形而上的にしかならないし、突き詰めなくても取り合えず動くものは作れるのだとは思う。でも、実際に物を作るうえでの建前というかビジョンは必要になるので実装とのバランスが重要なんだろうなあ

2009/09/20

Prussian_Blue

ロボットにまつわる歴史を概観したい場合、本書より『ロボット・オペラ』の方が良い。本書は著者自身の考え方が詳説されており、また著者の他の著作(小説)を下敷きにして論が展開されている部分がかなりあるので、著者自身のロボット観に興味がある方向け。個人的には納得しきれない見解や、著者は否定的だけど自分はむしろそっちの仮説に興味あるなと思う部分もあるが、そういう自分の立ち位置がどこにあるのかを発見できたのもロボットと真摯に向き合う瀬名さんあってのことなので、ロボット好きの読書好きはもう全員この人を拝んでおこうぜ。B

2012/11/06

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