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意識の神秘を暴く: 脳と心の生命史

意識の神秘を暴く: 脳と心の生命史

意識の神秘を暴く: 脳と心の生命史

作家
トッド・E. ファインバーグ
ジョン・M. マラット
鈴木大地
出版社
勁草書房
発売日
2020-04-16
ISBN
9784326154647
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ジャンル

意識の神秘を暴く: 脳と心の生命史 / 感想・レビュー

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bapaksejahtera

「わたしとは何か」や「魂」の問題に繋がる「意識」について、本書は生物発達史を解剖学的並びに哲学的に述べる。意識や個体認識は生物進化の上に与えられた勲章の如き物ではない。生物進化の結果、脳に固有にシステム化した意識や主観性が登場した。これは神経生物学的特性にほかならないという説明で一貫している。翻訳は極めて流暢で分かり易く、丁寧な索引や基本的用語の巻末説明などが理解を助ける。そのため本文はややゴテゴテした感じは受けるが、豊富な図版とともに、著者の主張が極めて解り易い。この分野初学の私の理解に最も役立った。

2021/10/03

mim42

前著の発展的サマリ。ページ数少なく簡潔に纏められていて良し。意識の三分類(情感、外受容/イメージ、内受容)と意識の進化(生命、反射/恒常性、主観/意識)の三段階が明確に論じられる。意識の起源については前著の議論が簡潔に辿られる(カンブリア爆発)。古典的条件付けから大域的オペラント学習への進化に情感意識の鍵、自/他-存在論的還元不可能性、哲学と科学の隔たり等、興味深い議論の扉も数多用意されている。意識の利点とは則ち、多様な感覚入力の組織化、柔軟な行動の選択/舵取り、近未来予測、新状況への対応等。

2021/04/27

gachin

外界のあらゆる状況に対応できるような反射を生得的に具えることはできない。なので、学習・オンサイト判断系として意識が存在する。という考え方が面白い。免疫系みたいな感じなのね。/ 部位局所的地図が意識の成立に必要としている理由がよくわからなかった。空間情報の無いシグナルを複数受けた上で行動を変える、という行動にも意識が適応的に入り込む余地があると思う。若しくは、こういう状況はproto意識みたいな感じで解釈できるのかな。/ 訳者後書きの「ホロンとしての相同物」という考え方が最高に面白い。/ 用語解説が助かる。

2020/12/02

Votoms

前著『意識の進化的起源』を超コンパクトにまとめあげた一冊。この本を最初に手にとった人で更に詳細な議論を追いたいなら、前著を読めばいいと思う。 著者らの立場はサールの提唱した生物学的自然主義を発展させたもので、神経生物学を中心にして意識の解明に試みるものであり、特に動物の意識に関心がある人は一冊置いておくにこしたことはないと思う。実は私はサールの本は挫折してしまったのだが、この本を読んでもう一回チャレンジしようと思った。

2021/01/12

y

意識とは何かを生命の発生・進化に沿って説明しています。一度では理解できず、読み返してみてやっと理解できました。 ここから先は個人的なメモとして… 意識は外受容・内受容・情感の3つのドメインに分かれている。 意識についての神経存在論的な主観的特性とは、参照性・心的統一性・心的因果・クオリア。 このことから、説明のギャップが複数ある。

2020/08/15

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