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マンゴーと手榴弾: 生活史の理論 (けいそうブックス)

マンゴーと手榴弾: 生活史の理論 (けいそうブックス)

マンゴーと手榴弾: 生活史の理論 (けいそうブックス)

作家
岸政彦
出版社
勁草書房
発売日
2018-10-30
ISBN
9784326654147
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マンゴーと手榴弾: 生活史の理論 (けいそうブックス) / 感想・レビュー

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かさお

少し難しめの記述もあったが面白かった。時間とか自分が存在してる事とか、自分の意思ではどうにもならない事、漠然とした不安を薄くしてくれる。腹が据わり受け入れる、という感覚を得た。本文より【私たちの人生は再現不可能な一回限りの行為や選択の連続。それをひたすら観察し記録する事の意味は、なんらかの形で「人間に関する理論」を豊かにする事…】そう、世の中にたったひとつの真実なんて無い(事実は1つだけど)正解を求めるのではなく、理解を集めるのだ。語りはあくまでも語り手の中での真実であり、聞き取り記録する事を→

2023/11/25

かおりんご

なぜこれを借りようと思ったのか、さっぱり覚えておりません。タイトルだけで、沖縄地上戦の話だと思ったのかも。内容は、私が考えていたのとは違いました。沖縄地上戦のことも、出てきたといえば出てきましたが、むしろメインは実態調査の方法について。人は記憶を書き換えてしまうけれど、けして騙そうとか嘘をつくつもりはないというもの。興味深い話もあったからよしとする。

2019/09/14

水色系

社会学の質的調査における方法論について書かれた本。 ばっちり理解できたかというと自信がないけど、岸さんの誠実な姿勢に心打たれた。ところどころ挟まれる生活史としての語りもまた興味深い。(普天間基地周辺は戦後人口が激増しており、そしてそれは普天間基地ができたのちのことであるので、自らの意志でそこを選んだのだから、たとえ騒音が凄まじくともそれはその住民の自己責任だという論に対し)個人が自分の生存の条件のもとで、少しでも良きものにしようと精一杯選んだ人生に、それでも「責任」を負わせられるか。という話が特に印象的。

2021/08/09

ちぃ

あらかじめ聞き取り内容など決めず取り止めのない話を通じてそこに生きる人の民俗を記録に残す生活史。ヤンキー文化や、地元の友人との繋がりは日本どこでもそんな気がするけど、戦争にまつわることや基地の騒音は沖縄ならでは…と思う。フィルターを通さない調査の難しさもわかる。書籍としては意味付けや注目箇所は書いても研究としてはただ記すのだろうか?いやそんな論文ないよなぁ…?本件の場合回答者がこちらの意図に合わせてしまうことのむつかしさも際立つ。直前読んだ心理学の本とも思いがけずつながった。

2022/11/06

チェアー

エッセイかと思ったら、論文よりの内容だった。相手に寄り添うとはどういうことなのか。相手を無条件に受け入れることとは少し違うなと思う。こちらの評価も入れながら、相手の話を受け入れ、自分の評価も修正していくような過程なんだと思う。相手が間違えたことや矛盾していることを言っていることを含めて事実として受け入れるという考え方は新鮮だった。難解な部分もあったが、共感できるところも多し。

2019/02/15

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