KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

幻視者 上―あるいは社会主義の先駆者たち (古典文庫 16)

幻視者 上―あるいは社会主義の先駆者たち (古典文庫 16)

幻視者 上―あるいは社会主義の先駆者たち (古典文庫 16)

作家
ジェラール・ド・ネルヴァル
入沢康夫
出版社
現代思潮新社
発売日
1968-01-01
ISBN
9784329003188
amazonで購入する

幻視者 上―あるいは社会主義の先駆者たち (古典文庫 16) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

あ げ こ

奇と夢想と熱情の、その試み自体が偏執狂じみてさえいる丹念なコレクション。このコレクションの蒐集者は、狂気も夢想も熱情も、或いは現実との隔たりも、隔たりによって生じる滑稽さであるとか悲哀のようなものまでも、つぶさに、丹念に、まるで自らがその内に在るかのように、自らに極めて密接に結び付いてしまったものであるかのように、語り出すのであるし、語りつづけるのであった。特定の誰かを語っているのに、書かれた言葉の内から出でる何もかも虚も実も自も他も混ざり合って縺れ合って、強く、確かに、複数で唯一のものとなって行くこと…

2023/09/11

刳森伸一

『幻視者-社会主義者の先駆者たち』というタイトルは的を射ているとはいいがたく、実際には、奇人伝という様相を呈している。とはいえ、自分をアンリ2世と思い込んだスピファームや、有名な詐欺師カリオストロなど興味深い人物が並んでいるし、事実の羅列に終わらないネルヴァルの筆も冴えていると思う。上巻での白眉は、『悪魔の恋』で有名な作家ジャック・カゾットの小伝だろう。これを読んで『悪魔の恋』が読みたくなった。

2019/10/29

感想・レビューをもっと見る