名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)
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名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366) / 感想・レビュー
ろくせい
絵画で紐解くスペイン歴史の論説。欧州のハプスブルグ家に関わる王国を、王族の肖像画などの絵画を用いて、描かれた背景や人間関係から解説する。やはりハプスブルグ家の王族として欧州を席巻する勢いがあったスペインが中心と感じる。絵画は素晴らしいが、写真がない時代の視覚的な情報権力だったのだろう。血縁でつながっていく人間社会を統治をする権力のために。
2017/09/16
tama
図書館本 中野シリーズ。ハプスブルグ家ってよく知らなかったのですがスペインとオーストリアで分家・共同してたのね。家・血族を存続させるにはおじ姪結婚もありって物凄い。教会は一般人には「それはダメ」と言ってたが「世継ぎが生まれないから仕方がないじゃないか!」と皇帝に言われては見て見ぬふりだそうな。「血は濃くあれ」なんでしょうが弊害の方が多いよなあ。日本のさる血族は昭和の時代にそれに気が付いたそうで。お話の視点が違うと何度か見た絵も飽きずに見られる。次はブルボン王朝だ!
2014/12/20
みっちゃん
中野京子さんの著作は、絵画の明快な解説を通して、その時代、人物のイメージが沸き上がってくるようで、とても読みやすく、好きです。今回も、これまで読んだものと重複するものもありますが、興味深く読めました。何度見ても恐ろしいのは【狂女ファナ】荒涼とした背景、夫の棺の前で、憑かれたように見開かれた彼女の目は真っ暗闇の空洞のようです。狂おしいまでの執着が画面から、迸るようです。
2015/06/30
トリオネア
アゴ成分に期待して。あらためて勉強になったし、面白かった。マリー・アントワネットの結婚時の字の片寄や、不吉なエピソード、女嫌いのフリードリヒ大王、フランツ・ヨーゼフなどがとても興味深かった。もっとアゴ顎しているのかと思っていたけど、確かにアゴしていたけど割とアゴ少な目だったかな。
2019/02/13
buchipanda3
13世紀から20世紀という途方もない期間にわたって王朝として欧州に君臨したハプスブルク家の歴史を関連する絵画を見ながら読み解いたもの。これだけ続くとまあ個性的で破天荒な王や非情な運命に翻弄された王妃などのエピソードがわんさかと。彼らを描いた肖像画を見ると威厳のある風貌なのだが、著者の小気味よい文章で書かれた裏に隠された事情を読むとまた違った風に見えてくる。後半から始まる凋落ぶりはやはりもの寂しい。スペイン黄金時代のフェリペ2世の剛腕ぶりやマリアテレジアとフリードリヒの対峙はもっと詳しく読んでみたい。
2019/10/18
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