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せつない話 (光文社文庫 や 18-1)

せつない話 (光文社文庫 や 18-1)

せつない話 (光文社文庫 や 18-1)

作家
山田詠美
出版社
光文社
発売日
1993-10-01
ISBN
9784334717766
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せつない話 (光文社文庫 や 18-1) / 感想・レビュー

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びす男

「せつない感情は、涙腺を刺激しながらも五粒以上の涙で解決することの出来ない複雑なものである」。後書きから読めば良かったかなぁ、と若干後悔している。編者・山田詠美が選んだ「せつない」感情を想起させる短編集。一度きりと決めた「恋の棺」、どこかシュールな「ハワイアン・ラプソディ」が気に入った。特に後者。年老いて惨めなスーパーマンの姿は、泣いてやるほどではないにせよ、笑い話にもならない切なさだ。切なさとは大人の感受性だと、編者。それなら、これから付き合う機会の増える感情だろう。心の準備をしなければいけない。

2017/05/03

chantal(シャンタール)

山田詠美が編集した東西作家の「せつない」話が集められた短編集。どれも20世紀初頭生まれの作家の作品なので、時代は感じるが、しかしほんとにどの話も「せつない」のだ。それは恋愛関係の切なさだけではなく、何と言うか、人生のとか、大人のとか、生きることの切なさなのである。最後に山田さんは「せつない」という気持ちを表現できる英単語は多分ないと言っている。中国語でもうまい言葉が浮かばない。そしてその切なさとは何かと山田さんが解説している「五粒の涙」は秀逸。せつない気持ち、それはとても甘美なものだと思う。

2018/10/21

Take@磨穿鉄靴

比較的短めの話が詰まったアンソロジー。タイトルからしてもっと安直な物かとだらだら読み始めたけど渋みのあるチョイスで短いなりに読み応えはあった。前半は日本の作家、後半は海外の作家の和訳。一番印象に残ったのは山田詠美氏のあとがき的な「五粒の涙」。以下抜粋、-何度読んでも、新しいせつなさが胸の内をよぎる。絹のハンカチーフを使い捨てるように何度も一過性のせつなさを味わっていただきたいと思う。- 字数の関係で後略。続く言葉。素敵な言葉だと思う(^_^)好き。★★★☆☆

2019/02/09

ゆか

山田詠美選出の短編集。国内外問わずの短編集で、知らない作家さんも多数。さすが山田詠美選出とあって、少し癖のある内容になっています。こういう作家さん選出のアンソロジーは、なかなか楽しい。普段自分からは読まない作家さんとの出会いもあるし、ショートだから読みやすい。電車のお供にGOODです!

2016/04/03

Mishima

再読。山田詠美アンソロジー。14編の中で気になった文章を気になった順に載せていきます。①「世の中でいちばん馬鹿ばかしいものは、二つあって、一つは兵隊、もう一つは恋愛だと思うな」ー「贈り物」円谷才一②「世界は飢えた虎のように、外で待ち受けていること、苦しみは空よりなお遠く、僕たちの頭上に拡がっていることに、ぼくは気づいていたのだ」ー「サニーのブルース」ジェームズ・ボールドウィン③「巨人はバーンズの体をむさぼり食いはじめた」ー「欲望と黒人マッサージ師」テネシー・ウィリアムズ

2016/11/07

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