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白痴 1 (光文社古典新訳文庫)

白痴 1 (光文社古典新訳文庫)

白痴 1 (光文社古典新訳文庫)

作家
ドストエフスキー
亀山郁夫
出版社
光文社
発売日
2015-11-11
ISBN
9784334753207
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白痴 1 (光文社古典新訳文庫) / 感想・レビュー

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藤月はな(灯れ松明の火)

「長い・小難しい・テンション高い人々が多すぎ」なドフトエフスキー作品でとうとう、『白痴』に着手。元・癲癇持ちで「白痴」と呼ばれるムイシキン公爵ですが、彼は嫌味ではないピュアさがあって人々がその言動に苛立ちつつも好感を抱いてしまうのも納得。一方で俗物・器の小ささ丸出しのガーニャ、最低!だからこそ、ナスターシアがガーニャに「燃えているお金を拾いなさい!」という場面はドS心にも満足しました(黒笑)いつ、次巻の翻訳が刊行されるのか、楽しみで待ち遠しい作品が増えました。

2017/03/10

Shintaro

やあドスト、久しぶりだね。まあゆっくりしていきなよ。僕もじっくり付き合うつもりだ。前回の『罪と罰』に比べてさらに饒舌になっているね。僕にとっては登場人物の独白を追うだけで物語が展開するから早く読めるが、執筆も早くなるんじゃないかい。それにしても大作を次々に書く執筆意欲は大したものだね。さすが文豪と言われるだけある。本作には金(相続)、恋愛、名誉、人間関係、嫉妬などありとあらゆる要素がある。そして韓ドラのように驚くべき展開がある。ムイシキンはイノセントを象徴する。対して小悪魔のようなナスターシャ。次巻へ。

2017/08/14

kazi

やっと1巻読み終わりました~。4大小説の中でもっとも難読だと感じるのは私だけでしょうか?登場人物が多い上に各人が複雑な思惑で行動しているので、物語の流れを理解するのに非常に難渋しました。今作も相変わらず巻末にある解説の充実ぶりが凄まじい。作品が成立した当時のロシアの時代背景など、作品を読み進める上で非常に参考になりました。解説でも触れられていたがナスターシャの誕生日の祝いの席でのムイシキン公爵の「あなたは苦しみぬいて、それでもあの地獄から清らかなまま出てこられた」というセリフが気になる。

2021/01/28

里愛乍

久しぶりのドストエフスキーです。誠実で大人しそうに見えてぽろっと辛辣、老若男女問わず人に好かれるタイプの青年が主人公。相変わらずよく喋る登場人物たち、キャラの書き分けが見事です。初対面からロゴージンに好かれたり、夫人や三人の娘さんとお喋りしたり、かと思えばガーニャにめんどくさい感情持たれたり(これはやたらと彼の地雷を踏んでるからだけど)とかくこの巻き込まれ的な立場にいながらも天然な公爵の言動に読み手としても惹かれずにはいられない。死刑の描写は見事ですね。一番興味深かったかも。

2019/05/14

田中

ドストエフスキー五大長編の中では「ムイシキン公爵」が一番好きな人物だ。彼の無私な純真さに惹かれるし、シンパシーを覚える。絶世の美貌で世の注目を集める「ナスターシャ」は、大金持ちのパトロンがいる。世間からは、妾のように卑下される彼女は、仮面を被ることで皆のイメージに沿うような醜悪な振る舞いを演じる。贅沢三昧の暮らしを謳歌する。でも、仮面の裏には、貞淑さと純愛を希求する清い心があるのだ。ムイシキン公爵が、彼女の肖像写真にキスをする場面が象徴的だろう。ナスターシャの素顔と全貌を公爵が把握した瞬間である。

2022/10/15

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