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にんじん (古典新訳文庫)

にんじん (古典新訳文庫)

にんじん (古典新訳文庫)

作家
ルナール
中条省平
出版社
光文社
発売日
2017-04-11
ISBN
9784334753511
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ジャンル

にんじん (古典新訳文庫) / 感想・レビュー

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ykmmr (^_^)

正直…『児童書』ではない…。『ごんぎつね』のように、子供に色々投げかける事は出来るものの、なんとも言えぬ余韻を与えるし、現代にこんな事があると、かなり『センセンショナル』になってしまうだろう。『毒親』に育てられると、勿論、『人格』は歪みをなし、人を愛する気持ちも無くしてしまう。そして、妙な『独立心』・『羞恥心』が育ってしまう。秋葉原事件の犯人が友人や弟からの手を拒否し、『⚪︎刑』になる事に対し、妙に受け入れが出来ていたとか、安倍首相を殺害した犯人も、確保された時に「やり遂げた感」を持っていたのも

2023/03/12

まりお

母、姉兄から「にんじん」と呼ばれ、蔑まれ虐められていた少年。家族からの心無い仕打ちには胸を悪くしたが、少年は度々動物虐待を行う。時には、妙に仲が良さそうな雰囲気になったり。何なのだろうこの一家は、と思ってしまった。しかし意外なのは、にんじんが母に逆らったこと、つまりは成長していることだ。時が経たないまま、物語は終わる、そういう話ではなく、歳も自己も成長する話だ。意表を突かれたな。

2017/06/03

ビイーン

児童虐待文学?途中で読むのをやめたくなる位、家庭内のいじめエピソードばかりが描かれている。「ひどい話」の一文が心に刺さる。「にんじんは慣れている。一度慣れてしまえば、あとは面白くもなんともないものだ」。親に愛されない子供はニヒリズムに陥るのだろう。「にんじん」は子供の頃に読んだと思うが、大人になってから読み直したらその物語の内容に驚かされた。

2019/01/04

コジ

家族から「にんじん」とあだ名され、特に母親から虐げられた日々を送る少年の日々。時にはその抑圧から逃れるかのごとく問題行動に走る場合もある。最後は母親との決別とも取れる内容。淡々と綴られている内容は明らかに児童虐待レベルのものあるが、不思議な事にその文面に悲壮感を強く感じられない。たしかに母親からの迫害を自分なりの機転や、周囲の協力で消化し成長してく少年の話のようにも読めるが、児童心理学の参考書にのようにも読める。色々と意味深い作品でこれを単純に名作古典文学と捉えることは出来ない気がする。

2017/05/29

シュラフ

経験しなければ理解できないということがある。この小説に反応する不幸な人もこの世にはいるのだろう。幸いにも、ふつうの家庭に育ち、そしてふつうに子育てした我が身としては、「にんじんが可哀想・・・」以上の感想しか出てこない。幸せな人生を過ごしてきたということだ。この家族、どうやら父母が仲がしっくりいってないようだ。母の攻撃の矛先がにんじんに向かっているように思える。そしてにんじんは自己に受けた攻撃を、なんの関係もない動物へと向けていくという虐待の連鎖。きっと大人になったにんじんは、きっと誰かを虐待するのだろう。

2017/10/08

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