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デーミアン (古典新訳文庫)

デーミアン (古典新訳文庫)

デーミアン (古典新訳文庫)

作家
ヘッセ
酒寄進一
出版社
光文社
発売日
2017-06-13
ISBN
9784334753559
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ジャンル

デーミアン (古典新訳文庫) / 感想・レビュー

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KAZOO

ヘッセの小説は中学高校の時にかなり読んだ覚えがあります。ただこの作品のイメージはあまり覚えていません。車輪の下やシッダールタはおぼろげながら覚えています。今回は読みやすい訳で読んだのですが、エミールが青春時代に遭遇した精神的な祖師のような感じをデミアンに受けました。よく読んでみるとかなり難しい小説だということを感じました。若い頃はあまり深く考えずに読んでいたようです。

2022/07/23

naoっぴ

主人公シンクレアの自我と魂の放浪の物語。謎めいた雰囲気を持つデーミアンとの出会いから神秘的な思想に傾倒し、自分たちには特別な「しるし」があるとして互いに結びつこうとするところには選民思想の匂いが感じられたが、思春期にありがちな自意識なのだろう。大人びた友人への憧憬や、特別な異性への崇拝、性に対する抑えがたい嫌悪と欲求など、彼らの心の揺れ動きは青く瑞々しい。自分自身に「成る」ため、自己をどこまでも追求し苦悩する姿も成長の過程か。新訳も大変読みやすく、面白かった。

2018/11/14

巨峰

第一次世界大戦前、旧世界の終わりを迎えようとするヨーロッパ。古く伝統的で精神的な世界と新しい神のない世界とのせめぎあいのなか、振り子のように振られてしまう若いシンクレアの物語、デーミアンは彼に影響を与える上級生。「しるし」とか選民思想的な主人公たちの会話は気に入らないけど、若い頃に読んでいたら感銘を受けたかもしれない。そう若い人向けの文学だとおもう。自分が自分になるために殻を破るためにもがかなければならない。

2017/09/02

まりお

デーミアンはシンクレアの導き手、困ったときに助言をくれる魔法使いのお爺さんのようだ。私の周りにもデーミアンのような人はいるだろう。それに気づけるか、受け入れられるか、自分の内側にストンと落とせるか。卵のからを破れるかどうかは、それで決まるのではないか。

2017/09/10

yumiha

某新聞の書評で桜庭一樹が、「一秒でも若いうちに読むべき本」と言うので、未読だったから手に取った。言うなれば、自己とは何者か?という追究が、理想的な友人デーミアン(対象化されたもう一人の自分?)とともに推し進められる。自分の中に善もあるけれど、悪もある。驕りや卑下や嫉みなど感じたことのない人はいないはず。だから、神でもあり悪魔でもあるアブラクサスという神を見つけたことは、悪習の中でもがく自分も受け入れることができる。そういう悩みを抱く若い頃なら、救いになる神であろう。すでに立派(?)なおばさんの私よりも。

2021/07/08

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