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シェリ (光文社古典新訳文庫 Aコ 5-2)

シェリ (光文社古典新訳文庫 Aコ 5-2)

シェリ (光文社古典新訳文庫 Aコ 5-2)

作家
コレット
河野万里子
出版社
光文社
発売日
2019-05-14
ISBN
9784334754013
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ジャンル

シェリ (光文社古典新訳文庫 Aコ 5-2) / 感想・レビュー

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佐島楓

時代背景と当時の貞操観念などを知らないとちょっとコメントできないかも。解説でも主人公の職業「高級娼婦」について触れていますがまだ自分の知識が足りない。久しぶりに海外文学を読もうとするとこれだから困る(自分の無知さ加減に)。まあ知らなくても恋愛小説として楽しめるんですが、わかっていればもっと面白くなったのがうっすらわかるだけに残念です。

2019/05/22

アキ

49歳高級娼婦レア1912年パリ。正に印象派の画家たちが生きた世界。24歳年下のシェリとの6年に及ぶ付き合い。まるで印象派のような明るさと色彩の豊かさ。シェリが親公認の19歳エミリと財産目当ての結婚をしたが若い妻との言い争いからしばらく家を出るシェリ。一方シェリの結婚で老いも感じるレアはひとり南仏へ。再開したシェリとレアの愛と愛しているが故の憎悪が入り乱れ物語は一気にクライマックスまで怒涛のように読ませる。ラストのシェリの後姿がレアへの想いを告げていた。現代でも通じる男女関係あるある。鮮やかに描いてます。

2019/10/17

ころこ

男女の役割が入れ替わったら小説にもならないはずです。非婚率が上昇している現代で、経済的に自立している女性がシェリのような男性と関係を持つことはあり得ることです。とはいえ、男女で「生きる条件が違う」ところもあります。本作は身体の描写が多く、女性の老いを男性の暴力的な若さと対比しています。男性の場合、老いた身体は『老人と海』のように、精神的な永続性の隠喩として成立する可能性があります。女性の場合は未だその言葉がないのか、本作ではその難しさを隠さず、向き合い描写している問題意識は現代的なテーマとなりそうです。

2021/11/13

花乃雪音

50歳間際の高級娼婦レアと25歳の青年シェリの恋愛物語。作者コレットの自伝的物語で実際コレットはレアと同じような年齢差で恋愛をしていたそうだ。レアは教養ある人物でシェリは彼女に依存しているわけでもないのだが、読んでいてふたりとも魅力的な人物に見えにくかった。というのも恋愛関係において見苦しく思える描写が目に付くからであろう。お互いにどこが良かったのだろうと思えてしまう。シェリがレアに老いを感じたのはふたりが別れたショックでレアが老け込んだのか若い嫁と比べたら相対的に若くないことを実感したのだろうか。

2021/03/21

tsu55

49歳の元高級娼婦と25歳の青年の恋。 美青年をペットみたいに傍に置いておきたいという願望は、わかるようなわからないような。 舞台はベルエポックのパリ。豪奢で怠惰な雰囲気と素敵なファッション。談笑しながらジャブを繰り出す女性同士の会話など、楽しめる要素がちりばめられたスタイリッシュな作品。終盤にかけて畳みかける展開は圧巻ですね。

2020/10/18

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