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ペスト (光文社古典新訳文庫)

ペスト (光文社古典新訳文庫)

ペスト (光文社古典新訳文庫)

作家
カミュ
中条省平
出版社
光文社
発売日
2021-09-14
ISBN
9784334754495
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ペスト (光文社古典新訳文庫) / 感想・レビュー

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アナーキー靴下

ペストという不条理に見舞われた人々の有り様を描く群像劇。時事的にも有名作品だが、お気に入りの方の紹介を見て遅ればせながらこの新訳版を読んだ。コロナ禍を経験したからこそ真に迫るように感じる面はありつつも、世界の不条理さを写し出す面が大きいように思えた。ペストの災禍によってそれまでの条理が失われるリュー医師の日々が縦軸であるが、一足先に不条理な世界に足を踏み入れていたよそ者のタルー、明確な条理を持たずあまり変わりなく見える非正規公務員のグランなど、画一的であるはずの不条理がもたらす影響の多寡は各々違うように。

2021/10/31

おたま

「100分de名著」で『ペスト』を紹介していた中条省平氏の新訳。これまで私たちが長い間読み続けてきた新潮文庫版と比べて、格段に読みやすい、明快な訳となっている。昨年の3月に新潮文庫版宮崎嶺雄訳の方でレビューを書いたが、それよりも解像度は進んでいる。さらにこの1年半あまりで、私たちのコロナ感染症に関わっての経験も深化してきているので、その分、この『ペスト』が伝えようとしていることが、具体的な感覚として理解できるようになっている。これから『ペスト』を読む人はもちろん、再読の方にも薦めたい訳書だ。

2021/09/29

ネコベス

アルジェリア沿岸の町オラン市にペストが蔓延し、次第に死者が増え市民は苛立ち絶望する中、誠実かつ勇敢に困難な状況に立ち向かう医師や有志の人々の姿を描いた名作小説を新訳で再読。感染症による市民のパニックや憤り、やがてあきらめ適応して行く描写が詳細で実にリアル。久しぶりに読んだら思いのほか哲学的な内容で難解な部分もあったが、終わりの見えない疫病による苦難に対し淡々と自分の役割を果たすリュー医師の姿勢が印象に残った。

2021/10/20

takakomama

「ペスト100分de名著ブックス」を読んで心待ちにしていた新訳。70年前のフランスの小説ですが、「ペスト」を「コロナ」と読み替えると、今を予言しているよう。ペストという不条理に襲われた人間の感情の表と裏を目の当たりにしました。「自分のするべきことをする」が繰り返し出てきます。ペストが収束した頃のタル―の死とリューの無力感に、私も落ち込みました。先が見えない闘いは、疲れ果ててしまいます。頑張りにも限界があります。それでも、言葉の力を信じて、いたわる言葉を心がけたいです。隣の人が悲しんでいるかもしれないから。

2021/10/29

きおくあたま

今この時期だからこそ読んでみようと思った。非常時における人間の心理や行動を制限された空間での人々の行いなど、時代や場所が違っても共感できることが多く、深く考えさせられる場面がある。今も昔も「天災があるかぎり人間は決して自由になどなれはしないのだ」。そのためにいつの時代の人々も自由を獲得するために戦わざるを得ないということか。

2021/10/16

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