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未成年2 (光文社古典新訳文庫 K-Aト 1-23)

未成年2 (光文社古典新訳文庫 K-Aト 1-23)

未成年2 (光文社古典新訳文庫 K-Aト 1-23)

作家
ドストエフスキー
亀山郁夫
出版社
光文社
発売日
2022-06-14
ISBN
9784334754631
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ジャンル

未成年2 (光文社古典新訳文庫 K-Aト 1-23) / 感想・レビュー

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ケイトKATE

2巻(第二部)でアルカージーは突然、贅沢三昧にルーレットに嵌るなど暴走しているのに驚いてしまう。ある意味、アルカージーは少年から大人へ成長している段階なのかもしれないが、アルカージーを放蕩へと導くセルゲイ公爵、初恋の女性カテリーナと、アルカージーの周りに登場する人物はどこか癖がある。そして、不仲だった父ヴェルシーロフとは和解していくのと思いきや、カテリーナを巡って恋敵の関係になってしまう。いやはや、アルカージーに幸せはやって来るのだろうか。

2023/03/24

ひと

1巻の終わりから2か月後、主人公アルカージーは身なりをかえ、高級レストランや賭博に通うようになっていた… なかなか複雑な話しでますます人物関係が分からなくなってきて、解説でもドストエフスキーの小説のなかでももっとも複雑怪奇と書いてあったので納得しました。

2023/05/12

amanon

新訳にて再読…にもかかわらず、初読の際の記憶が殆ど抜け落ちている(笑)。それはともかくとして、旧訳では、今一つつかみきれなかったストーリーが、本訳ではかなりはっきりとつかめるようになったのは収穫。ただ、訳者解説にもあるようにかのヘルマン・ヘッセも初読では、内容をつかみきれなかったというエピソードを紹介しており、再読の重油性を説いているのが印象的。今の時点で更なる再読の必要性を感じているというくらいだから、本書に秘められた豊饒性はまだまだ汲み尽くすには程遠い。父と子の複雑な愛憎関係がとりわけ印象的だったか。

2023/04/03

リンデ

「未成年」の原題は「無秩序」であったというが、複雑な筋立て、と錯綜する人間関係、不可解に継起する事件が合間って、まさに作品としては「無秩序」というにふさわしい。私は筋立てや人間関係の複雑さについてはむしろ面白く読んでいるのだが、一人称の語り手である、主人公、アルカージーの、「未熟さ」、それゆえの衝動性、周りを見ようともしない盲目的な激情にははっきり言って辟易する。「若さ」ゆえの未熟さをおおらかな気持ちで見守るには私自身の年輪がやや足りないようだ。別訳で、最後まで読み進めたいと思う。

2022/09/28

しおり

未成年自体は二回目のはずなのに混沌に飲み込まれてしまった。アルカージーには真に受けすぎな所があるから女性陣の素顔がまるで分からない。カテリーナに思いの丈をぶつけるシーンは恥ずかしかった。純粋な気持ちだったとしても、あれは怖い。彼は決して悪い人という訳ではないのだけど、タチヤーナ風に言えば破廉恥だ。状況が彼をかき回すし、彼も周囲をかき乱す。全員が利害を持って動いておりそれがカオスを生み出す様はドストエフスキーらしさがある。加えて一人称視点だから輪にかけて混乱する。

2022/07/11

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