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整形美女 (光文社文庫 ひ 18-3)

整形美女 (光文社文庫 ひ 18-3)

整形美女 (光文社文庫 ひ 18-3)

作家
姫野カオルコ
出版社
光文社
発売日
2015-05-12
ISBN
9784334769109
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美女からブスに整形? 整形して美しくなったのに…「美」に取り憑かれた2人の女『整形美女』

『整形美女』(光文社)

 顔も体も取り替えて、あの子みたいになりたい。美しい人・かわいい人を見るたびにそんな願望を抱くことがある。人は見た目だ。だからこそ、人は美容整形に魅せられる。

 だが、私たちが目指してやまない「美しい見た目」とはどういう容姿のことなのだろう。人を美人だとか、ブスだとか、判断する基準はどこにあるのか。姫野カオルコ氏著『整形美女』(光文社)は、整形をした2人の女性を描いた物語。この本を読んでいると、本当の美しさとは何なのか、本当の幸せとは何なのかということを考えさせられてしまう。

 主人公は、繭村甲斐子、20歳。彼女は、名医・大曾根に懇願し、全身整形を希望する。だが、大曾根には甲斐子が整形したい理由が理解できない。なぜなら、大曾根にとって、甲斐子は整形の必要がない完璧な美女に見えるからだ。大きな瞳と高い鼻、豊かな乳房とくびれたウエストを持つ甲斐子。彼女は、手術によって、「まめつぶのような目、わずかに上向き気味の低い鼻、小さな口にボテッとしたほっぺた」というブス顔に整形する。

 一方、同郷の望月阿倍子も、社会人となった新生活を機に整…

2018/9/17

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整形、リストカット、セックスワーク…“ブス”差別に苦しめられる女子たち

「全身整形美女」と呼ばれるモデル・ヴァニラをご存じだろうか。全身30箇所を2000万円以上かけて整形してきた半生がバラエティ番組で紹介され、いま世間からの注目を集めている一人だ。

 そのヴァニラが、人為的に骨を切断し、再生力によって骨の延長を促す「イリザロフ法」という手術を検討していると報道され、ネット上では賛否両論が巻き起こっている。そもそも幼少期に容姿が原因でイジメられ、父親にまで「ブサイク」と言われたことで、執拗なまでに整形をくり返すようになったヴァニラ。彼女の「きわきわ」な行為に、現代社会が抱える闇をのぞき見たような、恐怖とも絶望とも言い得ぬ複雑な感情を持った人も多いのではないだろうか。

 ヴァニラのような整形をはじめ、リストカットやセックスワーカーなど「社会のきわ」にある問題を、小説やマンガに材をとって論じているのが、評論家・藤本由香里氏の『きわきわ 「痛み」をめぐる物語』(亜紀書房)だ。氏は本書の中で、現代における美醜や外見をめぐる差別を明らかにしている。

 ヴァニラ同様、全身整形で完璧な美貌を手に入れたマンガのキャラクターとして思い浮かぶ…

2013/9/24

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整形美女 (光文社文庫 ひ 18-3) / 感想・レビュー

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青蓮

読友さんの感想より。恵まれた美貌を持つ甲斐子は「計画」と称して「不美人」へと全身整形をし、容姿にコンプレックスがあった阿倍子も社会人になったのを機に整形をする。正反対の考えを持つ二人の行く末は如何に。「美しさ」とは何かを根源的に問う作品。何故「整形」が社会一般的に後ろめたい事、隠さなければならない事なのかをずばり指摘していて、読んでいて目から鱗が落ちました。私も容姿にコンプレックスがあるので整形は肯定派。それで自信が持てるなら良いと思う。でも見た目の良さだけが全てでは無いのだなぁと身につまされる思いです。

2017/07/10

milk tea

読みにくくて、思いのほか時間がかかってしまった。見た目のこだわりから始まった整形だったけど、そんな美しさよりも自分らしく生きる方が幸せってことだったのかな。まさかの3度の鼻の手術、酷すぎるよー。

2018/06/02

bunmei

『昭和の犬』で直木賞受賞した姫野氏の1999年の作品。その作風は女性心理の内面に鋭く迫り、前衛的な文言で綴られ、今回のテーマである整形手術を通した女性の生き方に一石を投じといます。主人公の甲斐子と安倍子は、旧約聖書のカインとアベルから準えるている知り、主人公の立ち位置も見えてきました。誰もが羨む美人でありながら、ブスになる整形手術をした甲斐子。自分がブスで甲斐子のような美人になりたいと手術をした安倍子。その結果、2人の生き方はどう変わったのか…。姫野氏の「モテる・美人」の論が各所に散りばめられた作品です。

2017/08/09

明智紫苑

昔、図書館で借りて読んだ本の再読。ヒロインコンビの一方から中村うさぎさんを連想するが、別にモデルではないだろう(そもそも整形手術の方向性が全く違うし、時期的にも違う)。しかし、反フェミニズム並びに反フェミニスト的な記述がいくつかあるのは、やはり某フェミニストに対する反感の表れなんだろうな。姫野さんはうさぎさんとはまた違う方向性で潔癖な人なんだろうと思うのね。

2016/04/08

aax74370

★★★☆☆ 姫野作品は 3冊目なんですが、私にはやはり合わないようです。。。美人→ブス ブス→美人 に整形した2人のそれぞれの運命が描かれたお話ですが、女性向けのように感じました。。。

2015/11/07

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