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許されざるもの (光文社文庫 ひ 17-5)

許されざるもの (光文社文庫 ひ 17-5)

許されざるもの (光文社文庫 ひ 17-5)

作家
樋口明雄
出版社
光文社
発売日
2016-07-12
ISBN
9784334773151
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許されざるもの (光文社文庫 ひ 17-5) / 感想・レビュー

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Rin

人間の身勝手さを痛感させられた一冊。オオカミが日本からいなくなったのも、生態系のバランスが崩れてしまったのも、人馴れした野生動物が生まれるのも原因は人間。そして生態系のバランスを取り戻すためにオオカミを中国から日本に連れてくる。そこにオオカミの幸せは考慮されていない。私の住んでいる近くの地域でも昨年オオカミフォーラムが開催されていただけにやるせない思いが強かった。オオカミに限らず人間の都合で駆除されたり保護されたり。まさしく私たちこそが「許されざるもの」なのだと。難しいテーマだけど読んでよかったです。

2017/09/29

ちょこまーぶる

色々な考えを脳内に巡らせながら読んだ一冊でした。決して難しい言葉・表現を使っているわけではないが、内容が誰もが一読する価値があると思いながら読み進めました。オオカミ復活プロジェクトの話ですが、読んでいて人間の身勝手さや傲慢さが文章から、これでもかと言うほど伝わってきて、許されざるものは人間自身であって、自戒していくべきことなんじゃないかと気づかせてくれます。そして、読みながら何度も目頭が熱くなってしまうシーンもありながら、心にジ~ンとなってしまう事もありました。終章の子供二人の1年前の話も素晴らしいです。

2022/08/21

goro@80.7

「約束の地」続編。同じく八ヶ岳市を舞台に今回はオオカミを連れてきて放獣し野生生物の被害を押さえるべく生態系を復活させようとする。行政の思惑、住民の不安が入り混じる中、中国からオオカミがやってくる。矢面に立つ七倉たちWLP。架空の鳥獣保護管理官という職業を創作して樋口氏は問題を提議しているスタイルは前作同様で、今回は中国での冒険など盛り込み読ませますわ。そして物言わぬオオカミたち。許されざるものとは誰なのか?山岳救助隊K-9シリーズともリンクしてきていいね~次のK‐9が楽しみだわ。

2017/04/10

食物連鎖のトッププレデターであったニホンオオカミ。シカやイノシシ、サルなどによる農業被害が深刻になる日本。絶滅したオオカミを中国から譲り受けて自然に放し、自然界の食物連鎖のバランスを取ろうとする計画が進む。人間の都合で連れてこられたオオカミは人間の身勝手さに翻弄される。やるせない結末に憤りを感じるが著者も言っているように夢やロマンも確かにそこにはあったと思う。読み応えがあり面白かったです。

2019/11/05

yamakujira

七倉父子をはじめ、野生鳥獣保全管理センターの面々が健在で、時系列は「約束の地」の続編になるけれど、独立した物語になっている。オオカミの放獣については、現実に議論があることを知らない人も多いだろうから、知るきっかけになればいいね。オオカミの絶滅は日本人として責任があるし、頂点捕食者を欠いた生態系が歪だと理解できるものの、前提となるシカの食害の描写が足りないから、オオカミ導入が単なるロマンのように感じてしまうのが残念。物語もちょっと迷走してるかな。でも、こんなテーマを小説化した意欲を買いたい。 (★★★★☆)

2016/10/02

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