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ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)

ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)

ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)

作家
湊かなえ
出版社
光文社
発売日
2018-08-08
ISBN
9784334776961
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ジャンル

「ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)」のおすすめレビュー

真実を反転させ、善意と悪意をえぐりだす――湊かなえの真髄、あの短編集がWOWOWドラマ化!

『ポイズンドーター・ホーリーマザー』(湊かなえ/光文社)

 湊かなえ氏は“反転”を描く作家だ。人は誰しも自分だけの物語を生きている。よかれと思っての言動が、誰かを苦しめるだけの結果となるのはよくあることだ。だが、一部の人間関係だけでなく、自分の信じてきた物語が、信じて何十年と生きてきた正義が、真逆のものだったらどうするのか――『ポイズンドーター・ホーリーマザー』(湊かなえ/光文社)は、誤解を重ねた先で取り返しのつかない結末を迎えてしまった人々を描くと同時に、それは読者である私たちの姿かもしれないとつきつけてくる短編集だ。

 表題作の「ポイズンドーター」は、娘を支配しようとする母親の呪縛を逃れ、女優となった娘・弓香が“毒親”を告発する物語。そして「ホーリーマザー」は、弓香の一方的な言い分が世間にさらされたのち、事故死した母親をかばう人々によって、弓香が“毒娘”として糾弾される物語だ。弓香の境遇に共感させてからのこの反転は、見事としか言いようがない。物語は、誰に寄り添うかで見え方が変わる。どちらが本当に毒だったかなんて、誰にも判別しようがない。問題は、…

2018/9/18

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▼7メンバーのコラボカバーはこちらでチェック! //ddnavi.com/news/546576/a/

 同時に7月1日付けの読売新聞朝刊全国版では一面に書影(白石麻衣、齋藤飛鳥、高山一実、生田絵梨花、大園桃子、堀未央奈、与田祐希の7人のバージョン)が掲載され、ファンの間で「読売新聞に乃木坂と光文社文庫の広告が! 絶対に購入します」「新聞読んでたら一面下に乃木坂のメンバーが載ってて朝から幸せな気分になりました」と歓喜の声が上がっている。

7月1日付けの読売新聞朝刊全国版では一面に書影(白石麻衣、齋藤飛鳥、高山一実、生田絵梨花、大園桃子、堀未央奈、与田祐希の7人のバージョン)が掲載された

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2019/7/6

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 今回乃木坂文庫に選ばれたのは、今をときめく青春&ミステリーの話題作44作品。白石麻衣は思春期の複雑な心を丁寧に描写した青春ミステリーが若者に支持されている辻村深月の『サクラ咲く』、齋藤飛鳥は『ストロベリーナイト』の原作者・誉田哲也が手掛けた青春ミステリー『疾風ガール』とコラボ。

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齋藤飛鳥×誉田哲也『疾風ガール』

 自身もアイドルを目指す女の子の10年間を描いた青春小説『トラペジウム』で小説デビューを果たした高山一実は、大ファンだと公言する湊かなえの『ポイズンドーター・ホーリーマザー』のカバーに登場。「湊さんの“スゴみ”を皆さんと共有…

2019/7/1

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ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

短編集。読みやすかったです。毒親、毒娘がテーマで湊さんらしさ満載でした。文章が会話口調(取り調べの受け答えや、メール口調)で進むのに情景もよくわかります。今後、物事は何にしろ多角的に見て、片方の側の言い分だけしか聞かないことはやめようと思いました。語り手が変わるとガラリと状況が変わり、出来事の中心人物から第三者に変わってもまた違う見方が出来、構成も巧いと思いました。

2018/10/11

さてさて

6つの短編から構成されたこの作品。2作目以外は母と娘の関係を描いた物語が展開していきます。2015年頃に流行ったという『毒親』という言葉。この本では、そうならないための啓示というより、結局のところ全ては考え方次第、一度思い込んでしまうと抜け出せなくなる思い込みの怖さと、そこから生まれるミス・コミュニケーションの連鎖といったところが短いストーリーの中に上手く描かれていたように思いました。ウググ…というイヤミスを呼び起こす6つの短編たち。イヤミスをサクッと読ませるとても湊かなえさんらしい短編集だと思いました。

2021/12/14

ミカママ

これは良かった。これで湊さんは7:3くらいに勝率戻したかな(上から)。友だち同士、姉と妹、そして母と娘。誰もがみなボーダーラインを歩いてる。ちょっとしたボタンの掛け違えで、とんでもなく拗れてしまう。かように女は難しい、のである。

2018/09/02

三代目 びあだいまおう

イヤミスの女王の短編6編。善意が曲解され嫌悪や恨みに繋がる、正義感はいつしか相手を雁字搦めにして行き場を失くさせる!人の心のベクトルは、その多くが意図しない方向に向くという不運を我々は経験済みだ。自分を振り返り身につまされる既視感を覚える。親は子の将来を案じ、子は自身の今を案ず!親は自身の経験で語るが、子はその経験を蓄積していない。相手を想う愛が相手を追い込む刃となりうることに気付かない。母と娘、同性ゆえに時に親子、時に親友、時にライバル。思いやる心の行く末が、湊ワールドで妖しく語られる不穏に戦け‼️🙇

2019/09/23

カメ吉

湊作品らしくイヤミスなモヤモヤとドロドロとした読後感。 女性同士の親子の内側が複雑で理解し辛いのも多かった。ホーリーマザーじゃなくポイズンマザーって内容に感じるし。短編集で色んな話があったけどテーマは共通。 最後の章は色んな謎が繋がり上手くまとまっていた。 読後感の悪さは湊作品らしいって事でOKだったんでは。

2018/09/23

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