KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

キッド・ピストルズの妄想: パンク=マザーグースの事件簿 (光文社文庫 や 26-6 パンク=マザーグースの事件簿)

キッド・ピストルズの妄想: パンク=マザーグースの事件簿 (光文社文庫 や 26-6 パンク=マザーグースの事件簿)

キッド・ピストルズの妄想: パンク=マザーグースの事件簿 (光文社文庫 や 26-6 パンク=マザーグースの事件簿)

作家
山口雅也
出版社
光文社
発売日
2018-11-08
ISBN
9784334777500
amazonで購入する Kindle版を購入する

キッド・ピストルズの妄想: パンク=マザーグースの事件簿 (光文社文庫 や 26-6 パンク=マザーグースの事件簿) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

オーウェン

第3弾は妄想の名の通り、ほとんど狂気ともいえる理論を実践しようとする人間。 その場にキッド・ピストルズやピンクがおり、事件を解明していく。 「神なき塔」塔から落ちたはずの博士が、なぜか塔の屋上で死体となり発見の経緯。 「ノアの最後の航海」ノアの箱舟に見立てた客船の中で起きる殺人。 ノアの執念を利用する犯人の復讐がおぞましい。 「永劫の庭」 宝探しゲームから始まる殺人事件。 犯人がなぜ首を切ったのかに対する合理的な理由に納得。

2023/06/22

ポップ

シリーズ2作目。怜悧で陰鬱なキッド・ピストルズと悪戯好きのピンク・Bが関わった3つの事件簿。ハンプティ・ダンプティそっくりな博士が反重力の実験を行う「神なき塔」、<つむじ曲がりのメアリー>の庭で<おせっかい>する「永劫の庭」の2つは鮮やかな手並だ。後者は、宝探しゲームの謎解き、知的な会話、癖のある登場人物は、翻訳作品と遜色ない。探偵士ボワロオが口にするフランス語とスノッブ振りは自称ポアロの係累だけある。キッドが廃墟の美学を理解し、無常観を経験する場面は、絵画的庭園の情景が目に浮かぶよう。犯人X説は万能だ。

2020/05/16

geshi

『神なき塔』ハンプティ・ダンプティとバベルの塔をモチーフにした歪んだ二つの〝転落”殺人。難解な重力論争や異常な行動から被害者の属性が明らかになる狂気の論理の通し方。外と内の誤認はシンプルにして盲点。『ノアの最後の航海』被害者にとって方舟とは何か?の思考を辿る物語。凶器の移動についてのロジックでミステリらしさを保った感。『永劫の庭』ネガとポジとなる首切りのホワイダニット。妄想を庭という形で体感することで真相が分かる、過程そのものが宝探しのよう。

2019/01/19

かめりあうさぎ

シリーズ第二弾。中編3話収録。タイトルの通り「妄想」がテーマとなっており奇人変人ばかり出てきます。その偏狭な部分が事件そのものに大きく影響していて、単純なフーダニットよりもホワイダニットにウエイトが大きかった印象。特に英国庭園を核にした「永劫の庭」が面白かったです。

2021/11/23

コチ吉

このシリーズ、タイトルから何となく敬遠される向きがあると思うが、とんでもない傑作だ。三作とも現実離れした妄想(狂気)の世界ならではのロジックを展開しながら説得力がある。「神なき」「ノア」が良いが、「永劫」の詩情もなかなかのもの。

2019/05/17

感想・レビューをもっと見る