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波風 (光文社文庫 ふ 23-5)

波風 (光文社文庫 ふ 23-5)

波風 (光文社文庫 ふ 23-5)

作家
藤岡陽子
出版社
光文社
発売日
2019-06-12
ISBN
9784334778620
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波風 (光文社文庫 ふ 23-5) / 感想・レビュー

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おしゃべりメガネ

約9年ぶりの再読です。前回同様、やっぱり7編の中でもぶっちぎりで『テンの手』が大好きです。北海道はオホーツク佐呂間を舞台に綴られる高校球児の物語ですが、とにかく胸がアツくなります。自分が住んでる町の隣町なだけに余計に感情移入してしまうのかもしれませんが。他の6編は正直、ほとんど忘れてしまっていた話が多く、いい意味で新鮮なキモチで読めました。家族、夫婦、そして友情の様々なあり方をさらっと爽やかに綴る藤岡さん、さすがですね。また時を経て再び読みたくなるステキな短編集でした。『テンの手』だけ読んじゃうかも。

2024/01/31

しいたけ

優しく温かい、小さな鉢植えの花を7つ渡された気持ちで読み終える。7編に順位はつけられない。どの話にも、心の哀しい穴や欠けを、柔らかな土でそっと埋めようとする人が描かれる。土に包まれていた種子が芽を出し、やがて蕾となる。蕾で終わるその余韻が、私の胸で希望という名の花となる。

2019/06/20

ふう

7話の短編集。ささやかな幸せにさえなかなか手が届かない、手を差し出すことさえためらってしまう…。心の中に悲しみや傷を抱えて、それでも誰かを憎むこともなく静かに生きる人々の物語です。不遇に見える彼らに幸せになってほしいと思うけど、多分本当は彼らの方が強いのかもしれません。欲張らなければ、どんなに小さな幸せでもとても大切なものだと思える強さ。隣にいる人の悲しみをそっと受けとめられる強さ。「鬼灯」「真昼の月」がとくに心に残りました。

2021/02/13

はつばあば

藤岡さんの本は性根を据えて読まないとあかんのを忘れてました。波風・鬼灯・月夜のディナー。ここまではスルスルとまるで他人事のように読めたのですが、テンの手の途中で一気に挫折に至るところでした。ここを読まねば!と3日かかりました。若い人の夢と希望を打ち砕く災難、それを乗り越えるのにどれだけ涙を流されたことかと。学生時代から障害者に関わったボランティア活動。産まれた時は普通の子、それから数年で病気になったり事故に遭い切断を余儀なくされて義手・義足を。皆さん子供ながらに堂々とされていましたが辛かっただろうと・・

2023/08/30

http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2023/09/post-bc0204.html どの話もよかったのですが、久しぶりに、読んで泣けたのは【テンの手】でした。

2023/09/30

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